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11_04 ページ4

いきなりの大所帯で押しかけたというのに、こうしてなにかと相手してくれて、感謝してもしきれない。キバナへのお礼も見当がつかないのに、彼女達は一体何をしたら喜んでくれるだろうか。ゴーストタイプのポケモンは人の心の動きに感情を見出すから、どうすれば良いかはなんとなく分かる。でもキバナのポケモン達は肉体的にも大きく強靭で、今まで身近に触れ合ってきた子たちとは、人と生活していることを抜きにしてもだいぶ毛色が違う。とりとめもなく考えていると、おもむろに一冊の雑誌を持ち出して、こちらを見つめてくるにっこり顔のヌメルゴン。体のぬめぬめに負けないくらい、緑色の眼が輝いている。

若干しけってよれよれになったページを促されるままにめくると、ポケモンと一緒に食べられるパンケーキの絵の上で短い指が止まった。あのね、お礼って言ってもそういうのじゃなくてね、と説明しても、笑顔のままきょとんと首をかしげるだけ。かわいい仕草に困って視線を外すと、いつの間にか背後にジュラルドンとギガイアスの巨体が立っていて、それはもう飛び上がるくらい驚いた。ここのポケモン達はみんな、人をおどかそうとしているとしか思えない。ポケモンとトレーナーは長く過ごすと似てくると言うけれど、そんなところまで似なくてもいいのに。

ヌメルゴンと違っていかつい見た目なのにぱっかり大口を開けて、それでいて目はきらきら、すごく眩しい。彼女にしたのと同じ説明をして、もっとちゃんとしたお礼をね、と言っても、同じように首を傾げられた。言いたいことが通じない私の頭も一緒に傾いた。大きなポケモン三体に囲まれて逃げられない!なんて台詞が頭に浮かぶ。…これはもう、作るよりほかに逃げ場はないだろう。

人間はともかく彼らの食べ物まで作ってしまって良いのか気になったけれど、特定の期間以外は好きに食べさせているとは既にキバナに聞いていた。一緒に食卓を囲むことも多いから、今は大丈夫な時期なんだろう。手を進め始めた私を見た三匹のポケモンはようやく囲みを解いて、お話ししながら大人しく待ってくれるようだ。傍から見ると、渦巻きの貝殻と金属と石にドラメシヤがたかっているようにしか見えない。

普通に大人向けに書かれている雑誌の文章に私がつまづくと、かわるがわる身振り手振りで教えてくれる。…ジュラルドン以外の仕草は正直いまいち分からなかった。

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設定タグ:キバナ , ポケモン剣盾 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:aks | 作者ホームページ:http://alterego.ifdef.jp/  
作成日時:2023年3月21日 20時

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