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日差しに棘を震わせてうっそり動き始めた姿を尻目に、今度は暗所に置いていた大籠を撫でて中を覗き込む。暗い中に黄色い眼がパチクリ浮かび上がって、早起き組のドラメシヤ達がぬるりと這い出てくる。まだみんな寝ているから静かにしていようね、と小さな頭を指でうりうり撫でればみんな元気いっぱい、嬉しそうに足に擦り寄って低い体温を分けてくれた。

水を貰おうと廊下に続く扉を開けた途端、また喉からびっくり声が出そうになって、慌てて口をふさぐ。水場に続く通路の天井との境目がまあるく盛り上がって、細かな砂を零している。私よりもキバナよりも、何ならこの家の誰よりも長い体を持つサダイジャが、廊下の形そのままに貼り付いていた。リビングから始まって角を曲がり、手洗い場近くまで伸びている蛇腹は、まだ朝の砂浴びをしていない所為かいつもよりほそっこい。最後にようやく出会った大きな頭に挨拶すると、今日はあんまり驚かなかったね、とばかりに二股の舌を揺らしてにんまり笑われた。酔っぱらって尻尾を踏んずけたまま抱き着いて寝こけたことがあるという飼い主程この巨体に慣れられるのは、ちょっとやそっとじゃ無理だと思う。ポケモン同士気配で分かるのか、ドラメシヤたちは早々に驚かなくなってしまったので、それもまた悔しいものがある。


気を取り直して顔を洗い軽く身支度をして、スッキリした頭でさあ、今日の朝は何をしようか。

まずはここ最近忙しくお疲れ気味に見えるキバナに、昨日待っていられなかったお詫びの朝ご飯をつくろう、と思いつく。ガラル定番のメニューなら読んでいる本に乗っていたし、キバナが作っているのを何回か見ているし。きっと大丈夫だろう。

ついでに水浴びしてご機嫌なドラメシヤと一緒に意気込んでキッチン台の前に立つと、既に起きていたヌメルゴンがこちらに気づいて歩み寄ってきた。ドラメシヤはすぐに彼女の元に飛んで行って、朗らかに鳴き合う。大ぶりな尻尾に巻き付かれるのが、最近のお気に入りだ。腕に巻き付くドラメシヤを揺らして笑顔であやす姿に、どうしたらあなた達にお礼ができるかな、と思わず呟く。

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設定タグ:キバナ , ポケモン剣盾 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:aks | 作者ホームページ:http://alterego.ifdef.jp/  
作成日時:2023年3月21日 20時

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