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変化しにくいAの表情の中に、どこか不安そうな雰囲気を察したオビトは再び声を荒げる。
「ちっげーわバカ！！お前に怒ってるわけじゃねぇ！！」
だーもうっ！と頭を乱暴に搔きむしるオビトにカカシは冷めた目を向ける。
「おーい、オビト。お前本当に煩い。もう帰れば？」
「はぁ？！テメェが此処に呼び出したんだろーが！！」
そう言って二人で口論し始めるカカシとオビトを横目に、Aはスカートのポケットの中で震えたスマホを取り出して耳に当てる。
「はい。千住です。いえ、なぜ？はい……はい、そうですか。だからなぜ？……分かりました。カカシと直行します。」
そんなAの声に、二人はいつの間にかピタッと口論を止めていた。
そうして向けられる視線に、Aは電話を切ってから向き直る。
「カカシ。事件です。」
「電話はミナトさん？」
「はい、電話口で何度も謝っていました。何故でしょう？」
「大方、俺達が今の状況になるって推測してたからでしょうね。じゃ、まー行きますか。」
と、さっさと身支度を整え始めたカカシとAにオビトは思わず声をかける。
「オイコラ！テメェら俺を無視すんじゃねぇ！」
「あ、まだいたの？じゃあま、あと大蛇丸さん達によろしく。行くよA。」
「はっ？！あ、おいコラカカシっ！テメェ金払えっ！l」
オビトの話を全く聞かずにさっさと店を後にしようとするカカシに対して、Aはガサゴソと自身のバックから財布を取り出してオビトに向き直る。
「あの、おいくらでしょう？」
「だーーっ！お前は良いんだよ！律儀かっ！サッサと行けバカA！」
「え？あ、はぁ。では……。」
不思議そうにオビトに頭を下げて、Aはカカシの背を追いかけていく。
そのカカシの背中は、そんな二人のやりとりを聞いてクツクツと笑いを堪えるために少々震えていたが、そのことに気付く者は誰もいなかった。
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テン(プロフ) - 星猫さん» 星猫さん嬉しいコメントありがとうございます(*^^*)更新が停滞していて申し訳ありません。今後も楽しんで貰えると光栄です♪ (2021年9月27日 21時) (
レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年9月10日 23時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テン | 作成日時：2021年4月20日 0時
