第10話 ページ10
「ああ。……ああ、助かるよ。今度ゆっくり食事でもしよう」
所変わって物置倉庫。クリームとチーズの行方を知る為に関係者の知人に電話をかけていたチャックが受話器を置いた。
「警察から、エリア99に移送されたそうじゃ」
『エリア99って、GUNの研究施設よね？』
「GUN？」
「ああ、国防軍……戦車とか戦闘機とか、武器を持ってる」
「エッグマンみたいなヤツか」
『エ……？卵？誰なのそれ』
「知っても何の得もないぜ」
高笑いする卵の怪人を頭に浮かべるアリスをよそに、チャックは口を開く。
「GUNの施設に連れて行かれたということは調べる気だな……宇宙から来たエイリアンか、あるいはどこかの国が開発した生物兵器と思っているのか。本当の所どうなんだね、え？」
「知らないね！さてと、場所がわかった所で失礼するぜ」
『ちょっと待って！そっちの世界では卵も動いて喋るの！？』
「今それどころじゃないから！ねえソニック、そんな事したらキミまで捕まっちゃうよ」
「そんなヘマはしないって！」
クリスを振り返った隙にシャッターが閉まり、出口が閉ざされる。行く手を塞がれたソニックはクリスを睨みつけるが首を手を振る。アリスは未だにエッグマンなる卵の怪人の妄想に忙しそうだったので放っておいた。すると、チャックが笑顔で自分を指さす。
「ワシじゃよ。何だか面白そうだ、血が騒ぐ！」
「おじいちゃんまで……」
「お前も行くんだ。お前いつも言ってたろう、父親みたいに退屈な男になりたくないって」
「わ、それ内緒！パパに言っちゃダメだよ」
「分かっとる！」
すっかりハイテンションになったチャックの言葉にクリスが困ったように手を振る。ソニックは朝あんなに父親と愛の言葉を交わしていたクリスがそんなことを思っていたなんて、と疑問に思っていた。その隣でアリスが眉尻を下げる。
『私も行きたい所だけど、そろそろ行かなきゃ』
「あれ、お姉ちゃん今日は学校？」
『ええ。休んででもついて行きたかったわ』
「バカを言うな。遅れんように行くんじゃぞ」
『はーい！』
秒で家にリュックを取りに戻り家を出ていくアリス。と思えば再び倉庫に現れ、ソニックの前にしゃがんだ。
『学校でニュース見るから、頑張って。……えーと、チュニックくん！』
「ソニック！！」
どこまでも名前を覚えるのが苦手なアリス。ソニックの怒号を背に受けながらそそくさと出て行った。
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A - すごく素敵な作品でとても続きが気になります！続編もお願いしますっ！ (2022年4月24日 22時) (
レス) id: 1c577920f9 (このIDを非表示/違反報告)
憂象 - めちゃくちゃ面白いですね！！！！再度ハマるきっかけになりました！！ありがとうございます！！！(><＠) (2022年3月11日 21時) (レス) @page50 id: 63f42a208b (このIDを非表示/違反報告)
にーご - すごく面白いです！続編も期待しています(●´▽`●) (2021年2月7日 21時) (レス) id: 1e32eaca6c (このIDを非表示/違反報告)
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