【あんスタ】好き勝手に生きようかと思う。 (ページ10)

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１０話ページ10

凛月君との自己紹介が終わった後、様子見してくれてた両親が近くに来てくれた。時間切れみたいだ。早く帰りたいだろうにわざわざ時間を取ってくれて感謝しかない。

「A、そろそろ家に帰る時間だ。凛月君もAとお話してくれてありがとう。体調はもう大丈夫かい？」
「…うん。叔父さんも部屋に運んでくれてありがとう」
「どういたしまして。これから暑くなることだし、熱中症にも気をつけるんだよ」

凛月君の目線の高さまでしゃがみ、頭を撫でつつ話しかけるお父さん。顔がいい。それに、目線をわざわざ合わせてるところがポイント高いよね。
お母さんはお父さんと彼の会話を聞きつつ、私の頭を撫でてくれている。お母さんの撫で方って何かクセになるよね。母性を感じるよね。
あと、もう問題無いと判断したのかポシェットを返してくれた。ボロボロにしないように釘も刺された。隙がない。練色のポシェットの中にはハンカチやティッシュ、飴玉がいくつか入っている。結構お気に入り。

どうやら会話も一段落ついたようで、お父さんはスッと立ち上がってお母さんに一言告げ、玄関に向かい廊下を歩きだす。
廊下を歩いてる間も凛月君はお父さんと話していて、仲がいいんだろうか？聞き耳を立てると、兄の零君の話でほっこりした。

玄関まで見送りに来てくれた凛月君に手を振る。凛月君は素直に手を振り返してくれた。可愛かったのでつい、ポシェットに入れていた飴をあげた。嬉しそうにお礼を言って飴を手から取る。いっぱいお食べ…。

お気に入りの革靴を履いて玄関を出る。もう少ししたら真夜中と言える時間帯になる頃だ。
前世では眠気がそろそろ来るのに全然そんな事は無く。むしろ元気なのだから、嫌でも前とは違うことを感じてしまう。けど、折角ならば前とは正反対の生き方をしてみたい。今世の生き方の指針をそろそろ決めてみようか。

揉め事はあったけど、親以外の親族である二人に出会えたのはとても嬉しいことだ。提案してくれたお母さんに感謝しかない。この体質のことを相談できる人がいる、それがとても嬉しいことだ。親に何でもかんでも相談するのはちょっとね…

『将来、そのうち疎遠になってしまう』なんて少し暗い気持ちになりつつも、大切にしたい縁である。どこかできっと繋がるかもしれない。

車の窓から見える景色を見つつ、そっと意識を手放した。夜遅くまで起きれるほど不健康な生活はしてないからね。きっと成長と共に起きれる時間は増えるだろうけど。