【あんスタ】好き勝手に生きようかと思う。 (ページ11)

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１１話ページ11

集まりから数ヶ月経った。特に大きな出来事も無かったので特に記憶にナシ。強いて言うならば、従兄弟の朔間一家が引っ越しをしたらしい。前に訪れたあの教会チックな家は今は祖父が住んでいるそうな。理由としては交通面の不便さらしい。あそこ、小学校から結構遠いしバスもあんまりないもんね。

引っ越し祝いも兼ねて遊びに行ったら凛月君が居なかった。気になって聞いてみると近所の子と遊んでいるそう。ちなみに零君も少し離れた寺の子と仲が良いそうな。子供って仲良くなるのが早いよね。凄い。

あの家から引っ越すのに周りから反発は当然あった。一族(笑)の時期党首である零君とその弟の凛月君がいるのにわざわざ違うとこに住まわせるのか！なんて声もあったそう。それに対し、伯母さんは強かった。ド正論でぶん殴ってたのだ。母は強し。

話が脱線したが、凛月君はいなかったが零君は家にいた。伯母さんに進められてお土産の箱に入ったプリン片手に書斎に向かったのだ。書斎にいる5歳児とは…。

コンコンっと軽い音を響かせてそのまま入る。返事は聞かない。急に入って困るようなものは無いでしょ。あっても別に気にしない。

「お邪魔しまーす」
「…普通ノックのあと返事無いか聞かないか？」
「えっ、別に。もしかしてＲ判定くらってる書物読もうとしてた？」
「なんでそうなるんだよ…」

軽く頭抱えてる零君をスルーしてローテーブルの上の本を端に追いやってプリンを置くスペースを作る。このローテーブルは幼女に優しく無い高さだ。
スペースはあるもののどうやって箱に入ってるプリンを置こうか。

悩んでると後ろからヒョイッと箱が取られる。零君はそのまま軽々とローテーブルの上にプリンを置いた。くそう、これが２歳差の壁か…

「それ、お土産のプリン。割とお高いからいいお味」
「高いから美味しいっていうのやめろ。安くても美味しいのはある」
「割と庶民派」

なんだか疲れたような顔をした零君。テキパキとプリンを出してる。私？私は箱と同様にヒョイッと抱えられてそのまま椅子に座らされた。中身成人だぞ私は。

「ん」
「ありがとー」

一言とともにプリンを渡され、ペリペリとフィルムを外して食べ始める。美味し…と噛み締めてると目の前から視線を感じる。目の前には椅子に独特の座り方をしてる零君がいる。プリンを食べろ。

「…どうかした？私のプリンはあげないよ」
「別にプリンが欲しいわけじゃねぇよ。……お前本当に3歳か？」

ド直球すぎる質問では？