55.イチゴ ページ7
ﾊｳﾙ「っ･･････」
突然腕を襲った痛みに顔を顰めた
この痣はAが居なくても、触れてなくても広がって行くらしい
今となっては腕から肩にかけて、ほとんど痣で覆われてしまった
もう時間が無い
Aに関しても、僕に関しても
おばあさんも呪いの解き方は知らない
まして、どこに行ったのか分からないのなら、手の打ちようがなかった
僕がAを守ると誓ったのに
僕は今、何してる？
Aにかけられた呪いの解き方どころか、どこに居るかもわからないまま、ひたすら本と向き合っているだけだ
こんなことしてる間にもあの子は怖くて震えてるかもしれない、泣いているかもしれないのに
出来ることなら、今すぐ駆け寄ってその小さな体を僕の腕の中に閉じ込めてしまいたい
ぎゅうぎゅうに抱きしめて、どこにも行かないようにしよう
読んでいた本に栞を挟んで僕は立ち上がった
ルビー「ハウル？どこか行くの？」
ﾊｳﾙ「ちょっとね･･･気晴らしに」
ルビー「あたしも行くわ。･･･ハウル1人じゃ心配だから」
ﾊｳﾙ「ごめん。一人がいいんだ」
それでも着いてこようとするルビーを腕から引き剥がしてフラフラと部屋の外に出た
ｶﾙｼﾌｧｰ「ハウル、大丈夫なのかよ。ふらふらしてるぜ？」
ﾊｳﾙ「僕は大丈夫。」
ｶﾙｼﾌｧｰ「･･･あんなやつ、追い払っちまえばいいのに。おいらならすぐに追い出せるぜ」
ﾊｳﾙ「いいんだ。今は猫の手も借りたいから」
ふーん、と若干不満そうなカルシファーに苦笑して店に繋がるドアを開けた
真っ暗な店内
ソフィーの作った帽子が綺麗に飾られ、所々には花が飾られている
生花のブースはがらんとしている
まるでAの帰りを待っているみたいだ
瞼を閉じれば、今だって笑っているAが浮かんで来るというのに
花に囲まれて笑うあの子は美しく、可憐だった
何より、A自身が咲き誇る花の中で1番輝いていた
狂ってると思われるかもしれないけど、悲しみに暮れて涙を流すAも、僕は好きだ
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すばる(プロフ) - 感動しました！とてもいい話だと思いました！更新頑張ってください！ (2019年1月27日 20時) (
レス) id: 1ecdcc7cf7 (このIDを非表示/違反報告)
cherrymay - 長らくお待たせしてしまって本当にごめんなさい！更新停止中なのに応援して下さって、ありがとうございました！また更新開始します (2019年1月27日 16時) (レス) id: b49d2cc48c (このIDを非表示/違反報告)
Jyp___0812(プロフ) - とても面白いです！なので更新お願いします！ (2018年8月22日 23時) (レス) id: c91ea02908 (このIDを非表示/違反報告)
E.E - 更新お願いします。すごく面白いです。 (2018年8月20日 23時) (レス) id: 721ee5a4f2 (このIDを非表示/違反報告)
結羽(プロフ) - お願いします！ 更新してください！！！！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 8712c8166f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cherrymay | 作成日時：2017年6月24日 21時
