79.ヤナギ ページ31
はぁ、と息を吐けば目の前が白くなるくらい寒くなった
私は手に持ったラッピングの材料をよいしょ、と抱えなおす
隣にいつもいたはずのハウルはいない
街でまた女の子に絡まれていたから置いてきた
私が1番なんて、嘘だったとしか思えないよルビーさん
いつか、ソフィーに聞いた話を思い出して自嘲した
ソフィーの街でハウルは有名だったらしい
なんでも、美女の心臓を食べてしまうとか
結局それは、ハウルが女の人のハートを奪ってしまう、ってことだとマルクルが言っていた
今までの女の人はどうなったのか
マルクルに聞かなかったことを後悔した
帰ったら聞いてみようかな
よく考えてみれば、私はハウルのことをよく知らない
4年も一緒にいるのに、カルシファーと契約していた動く城に住む魔法使いだってことしか知らない
ちょっとだけ泣きそうになって、首から提げているリングをぎゅっと握りしめた
.
.
『今日からは、マルクルと寝るね』
そう言ってハウルの部屋から飛び出したのは1か月前
ﾏﾙｸﾙ「まだ、ハウルさんと仲直りしてないんですか？」
『仲直りって言っても、ケンカしたわけじゃないよ』
ﾏﾙｸﾙ「ケンカじゃないの？」
『･･･うん、私がちょっと距離を置きたいだけ』
『ねぇ、ハウルを好きになった女の人はどうなったの？』
マルクルが眠くなった頃を見計らってそう聞いた
『ハウルも、その人のこと好きだったんでしょ？』
ﾏﾙｸﾙ「･･･ハウルさんは、誰も、･･････好きじゃなかったと思い、ます
むこうがハウルさんを好きになると、ハウルさんは興味を無くすんです
動く城に住んでるのも、追いかけてくる女の人から逃げるためで･･････A？」
私の目からはボロボロと涙が零れていた
それを見て、しまったという顔をするマルクルの顔が幾重にも重なって見える
ﾏﾙｸﾙ「で、でもっ、ハウルさんは、Aのこと、ちゃんと愛してると思います！
今までのハウルさんとは別人なんです！
だから、お願い、泣かないでよ」
『っ･･････マ、ルクル』
やっぱり聞かなきゃ良かったなんて後悔してももう遅いってことは理解していた
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すばる(プロフ) - 感動しました！とてもいい話だと思いました！更新頑張ってください！ (2019年1月27日 20時) (
レス) id: 1ecdcc7cf7 (このIDを非表示/違反報告)
cherrymay - 長らくお待たせしてしまって本当にごめんなさい！更新停止中なのに応援して下さって、ありがとうございました！また更新開始します (2019年1月27日 16時) (レス) id: b49d2cc48c (このIDを非表示/違反報告)
Jyp___0812(プロフ) - とても面白いです！なので更新お願いします！ (2018年8月22日 23時) (レス) id: c91ea02908 (このIDを非表示/違反報告)
E.E - 更新お願いします。すごく面白いです。 (2018年8月20日 23時) (レス) id: 721ee5a4f2 (このIDを非表示/違反報告)
結羽(プロフ) - お願いします！ 更新してください！！！！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 8712c8166f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cherrymay | 作成日時：2017年6月24日 21時
