真っ赤なお顔の… ページ38
特にすることも思い浮かばなかったので、私の提案でスケートをすることになった。
御｢スケートとかやったことねーな｣
｢そうなの？私も最後にやったのは中1くらいだからな〜滑れるかな？｣
この時の私は忘れていた。
御幸の｢野球以外｣の運動能力を…
｢やっぱり冬だし多いね｣
御｢だな｣
クリスマスということもあってか、心なしかカップルが多い気がする。
御幸もそれに気づいたのか、ニヤッとしてこう言った。
御｢…オレ達もそういう風に見えてんのかな？｣
｢な……か、仮にそうだったとしても困るでしょ…｣
御｢誰が？｣
｢誰がって…｣
そりゃもちろん御幸が…
だって、私は別に…
御｢ま、いいや。とにかく滑ろうぜ｣
｢…うん！｣
私はおそるおそる氷上に立った。
…あ、意外といけそう。
すぐに3年前の感覚を取り戻した私は、スケートリンクを1周して戻ってきた。
御｢お前…すげぇな｣
｢そう？｣
確かにこんなに滑れるとは思ってなかったけど…
御｢オレなんか1歩も動けねーよ｣
｢じゃあ手貸してあげるから｣
御｢サンキュ｣
私は御幸の手を握った。
｢いくよ…｣
御｢え、ちょっ待っ…！｣
ずてっ
｢…うそん｣
御｢…｣
待って、まだ1歩しか進んでない。
…そうだ、御幸って野球しか出来ないんだった。
御幸は恥ずかしそうに顔を背けている。
｢…ほ、ほら！立って立って！｣
私は御幸に両手を差し出した。
御幸は私の手を掴むと、｢よいしょ｣と言いながら立ち上がった。
ここまでは良かった。
御｢あっヤベ｣
｢え、ちょっ待っ…！｣
御幸は勢い余って私の方に倒れ込んできた。
私は頑張って堪えようとしたけど、あいにく高校球児を支えられるだけの筋力は持ち合わせてない。
私はそのまま後ろに倒れた。
｢…いてて…｣
御｢わ、悪ぃ…｣
｢いや、大丈夫…｣
御幸は倒れた時にぶつけたのか、口元を抑えて向こうを向いている。
怪我はしてない。
だけど…
心臓のドキドキが止まらない。
いや、止まっても困るけど…
あんな至近距離に顔があったら…！
思い出すだけで一気に熱くなる。
事故だったとはいえ、暫く御幸の顔が見られない気がする。
おおサンタさん…もしかしてこれがクリスマスプレゼントですか…？
だとしたら……嬉しいけど嬉しくないです…
私は両手で顔を覆ってため息をついた。
※1日遅刻…スミマセン( ´-`)
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作者名：みゆき | 作成日時：2016年10月10日 0時
