【◇】メガネくんと恋心 (ページ4)

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やっぱりページ4

帰る前にグラウンドへ寄ってみると、野球部がランニングをしていた。

｢いちに！｣

｢｢さんしいーちに！｣｣

｢いちにさんしいち！｣

｢｢そーれ！｣｣

｢に！｣

｢｢そーれ！｣

…すごいな…

やっぱり強豪って感じするな…

そのままずっと見ていると、見覚えのある顔が見えた。

｢…あ｣

…やっぱり。

野球部だったんだ…

御幸君はメガネじゃなくて、サングラスをかけていた。

それもよく似合ってる。

…カッコいいな…

しばらく見とれていたけど、ぐ～とお腹がなって我に返った。

…そろそろ帰らなきゃ。

私はグラウンドを後にした。

｢ただいまー｣

母｢おかえりなさい｣

翔｢姉ちゃん遅せーよ！｣

｢はいはいごめんね｣

私をびしっと指さして言う翔に適当に返事をして、私は自分の部屋へ向かった。

私の家は2階建ての一軒家だ。

私の部屋は階段を上がってすぐ横にある。

部屋の窓からは、ちょうど青道のグラウンドが見える。

さすがに人の顔までは見えないけど、野球部の練習風景なんかはよく見える。

野球部っていつまで練習するんだろ…

私は私服に着替えながら窓の外を眺めていた。

翔｢姉ちゃーん？昼飯食べねーの？｣

｢え？…ごめん！今行く！｣

いつのまにか手が止まっているのに気づき、急いで着替えを済ませて1階に行く。

今日の昼は炒飯。

炒飯を口に運びながら考えるのは、やっぱり御幸君のことだった。

メガネ姿もカッコよかったけど、あのサングラス姿もスポーツマンって感じですごくカッコよかった。

プレー姿とかもっとカッコいいんだろうなぁ…

翔｢…ちゃん…姉ちゃん！｣

｢うぇ？｣

翔｢絶対聞いてなかっただろ！｣

｢ご、ごめん｣

翔｢ったく…姉ちゃんちょっとおかしいぜ？｣

｢そう、かな…｣

翔｢…ま、いいけどさ｣

そう言うと、翔はまたモグモグと炒飯を食べ始めた。

おかしい、か…

…恋の病にかかってしまったのね…

私ははぁ…とため息をついて、炒飯を口に運んだ。

入学式から数日が経っても、私はクラスに馴染めていなかった。

休み時間はずっと机に突っ伏していた。

時々、御幸君の方を見たりもするけど、私から話しかける勇気なんてないし、そもそもろくに目も合わせられないから、結局また机に突っ伏すのだった。

…端からこの恋が実るなんて思ってない。

何なら一生片想いのままでもいい。

でも…やっぱ少しは仲良くなりたいな…

何かきっかけがあれば…

…そして、それは唐突に訪れる。