友達 ページ17
この前の席替えで、私は窓際の1番後ろという好位置につくことができた。
しかも隣は御幸君。
おお神よ。
おかげで私は御幸君と話す回数が前より増えた。
私から話しかけることも多くなった。
これはもう｢友達｣って呼べる仲…だよね？
私はまたまた授業中に考えていた。
隣の御幸君は、一見真面目にノートをとっているように見えるけど、実は目が開いていない。
今週から、うちの野球部は合宿が始まったらしい。
青道の合宿はまさに｢地獄｣だという。
普段あまり寝ない御幸君がこうなるのも無理はない。
だから私はそっとしておくことにした。
授業が終わる2分前くらいで、御幸君は目を覚ました。
御｢…んん…ふぁぁ〜…｣
うわあ…
大きな欠伸。
…見てるこっちまで眠くなりそう。
御｢…ん？どうした？｣
｢…え？あ、いや…何でもない｣
私がずっと見ているのに気づいた御幸君が訝しげな目を向けてきたので、慌てて目を逸らす。
御｢…あ、速水｣
｢何？｣
御｢後でノート貸してくれよ｣
｢いいよ｣
御｢あと…｣
｢？｣
御｢…寝かせてくれてありがとう｣
｢っ！｣
まだちょっと眠そうな目でそんなことを言われて、ドキッとしない方がおかしいと思う。
ましてやそれが自分の好きな人だったら尚更だ。
私は小さく｢うん｣と答えて目を逸らした。
それからの授業も、御幸君はずっと寝ていた。
…現国以外は。
さすがに片岡監督…じゃない、片岡先生の授業では寝れないよね…
御幸君が目を閉じまいと頑張っているのが隣でよく分かりました。
昼休みになって、私は朱里と合流した。
今日はB組の教室で食べようということになって、私の机に弁当を広げた。
隣には御幸君と倉持君がいた。
既に朱里と倉持君が睨み合いを始めている。
｢まあまあ…｣
御｢倉持、元々怖い顔がもっと怖くなrゴフッ｣
最後まで言い終わらないうちに、御幸君は倉持君に喉を突かれていた。
うわ、痛そ…
｢だ、大丈夫？｣
御｢…ああ…｣
御幸君は喉を擦りながら答えた。
｢…せ、せっかくだし、みんなで一緒に食べない？｣
｢｢｢えﾞ？｣｣｣
私はみんなから驚きの目で見られた。
朱｢何でこいつと一緒に昼休みを過ごさないといけないの！？｣
倉｢オレの方が嫌だ！｣
朱｢私の方が嫌だし！｣
御｢お前ら実は仲いいだろ｣
朱&倉｢｢ふざけんなてめぇ！！｣｣
御幸君は2人に首を絞められそうになっていて、私は慌てて2人を引き離した。
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作者名：みゆき | 作成日時：2016年10月10日 0時
