3人で ページ15
｢ただいまー｣
母｢早かったね…あら、鳴くん！｣
鳴｢おばさん、お久しぶりです！｣
翔｢鳴！？ちょっと待って！｣
玄関で話す声が聞こえたのか、奥の方で慌てる翔の声がした。
翔｢わあ鳴！久しぶり！｣
鳴｢翔！でっかくなったな！｣
翔｢鳴も！姉ちゃんとあんまり変わんなくなってんじゃん！｣
鳴｢だろ？｣
鳴…翔と同い年に見える…
精神年齢が同じくらいなんだろうな…
腰に手を当てて｢へへーん｣と笑い合う2人を見て、そう思った。
結局、3人揃ってリビングに集まり、思い出話大会が始まった。
｢鳴ってば意地張って全然どかないんだもん！全然出来ないのに！｣
鳴｢いや出来てたし！｣
翔｢鳴は卓球向いてないんだろ｣
鳴｢向いてるし！｣
｢1回も相手のコートに返せなかったのに…よく言うよ｣
鳴｢ぐっ…｣
翔｢そういう姉ちゃんも、この前体育でバレーやった時に顔面ブロックしたんだろ？｣
鳴｢ええ！？顔面！？｣
｢2日ぐらい鼻が痛かった｣
鳴｢大丈夫なのそれ！？｣
｢大丈夫、しかもちゃんと相手のコートに返せてたし｣
翔｢それはすごい｣
｢鳴とは違うもーん｣
鳴｢んぬぬ…！｣
翔｢でも鳴は野球だったら姉ちゃんなんか目じゃないだろ？｣
鳴｢あったりまえじゃん！オレ天才だから！｣
｢天才かどうかは別として、そもそも私野球やってないんだから当たり前でしょ｣
鳴｢天才だよ！いずれは稲実のエースナンバーを背負う男だよ！｣
そんな話をしていると、通りかかったお母さんがこう言った。
母｢…そういえば2人とも、キャッチボールするって言ってなかった？｣
私&鳴｢｢あ｣｣
完全に忘れてた。
そうだ、そのために家に帰ったんだ。
ありがとうお母さん。
｢翔、グローブとボール貸して！｣
翔｢あ、オレも一緒に行きたい！｣
｢いいけど…あんた3つも持ってたっけ？｣
翔｢2人ずつですればいいじゃん！｣
｢鳴は？それでいい？｣
鳴｢いいよ｣
鳴の返事を聞いた翔は、またドタバタと自分の部屋へ行った。
｢あ、翔！ミットも持ってきて！｣
翔｢え？使うの？｣
しばらくして、翔が両手にたくさん荷物を抱えて戻ってきた。
｢…よし、じゃあいってきます｣
翔｢いってきまーす！｣
母｢気をつけてね｣
鳴｢お邪魔しましたー！｣
母｢またおいで｣
鳴｢はい！｣
私たちは意気揚々と近くの公園へ向かった。
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作者名：みゆき | 作成日時：2016年10月10日 0時
