２８回目 ページ28
ゆっくりとリビングの扉を開けて、その隙間から部屋を覗き込む
ずっと暗いところにいて目が慣れてしまったせいで、少しだけ目を細める
慣れていくのを待って数秒、瞬きをするとソファに座る見慣れた後ろ姿があった
「(いや、タイムリー過ぎでしょ…)」
見つかって気まずくなる前に逃げよう、そうしよう
ゆっくりと扉を閉めようとした束の間
「誰？」
普通にバレた
「……こんにちは」
諦めてドアを大きく開ける、もちろん物音は立てないように
彼は目を丸くさせ、気まずそうに目を逸らす
ほら、思った通りだ
「どうした？何かあった？」
目線を逸らしたまま、優しい声音で問われる
真緒さんはA4サイズの用紙の束を眺めていた
「えっと、昼に寝すぎたせいで寝付けなくて…」
「あー…分かるわぁ、昼に寝過ぎると夜に寝れなくなるよな」
俺もよく休日とかにやる。と笑いながらこちらを見てくれた
ようやく目線が交わったことが嬉しくて、ついつい頬が緩んでしまう
「俺もあんまり寝れなくてさ、次の仕事の台本読んでたんだ」
二階だと起こしちまいそうだったから。と台本を机に置いた
良かった、普通に会話出来てる
「なんか飲む？一緒に作るから」
「あ、手伝います！」
今日はずっと真緒さんに頼ってしまっているので、流石にこのぐらいはやりたい
その想いで彼の背中を追ってキッチンまで足を歩かせた
「ココアで良い？」と背中越しに聞かれ、「全然大丈夫です」と棚からマグカップを二個取りだしながら返事をした
「Aちゃん」
牛乳を入れて電子レンジで温める
中でゆっくりと回転しているマグカップを見つめていると、名前を呼ばれた
彼に名前を呼ばれるのは好きだが、正直なところ呼ばれる度に心臓に響いて気が気じゃない
「どうし、ま…」
振り向くと、思っていた以上に近い距離に固まる
慌てて後ろに下がるがあいにく棚で踵をぶつけてしまった
痛いのはそうだか
それよりも彼から送られる目線はとても真剣なもので、射抜かれたように動けなくなった
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彩音(プロフ) - ひ〜〜めちゃくちゃどきどききゅんきゅんしました･･･。(語彙力なくてすみません) (2022年7月26日 14時) (
レス) @page49 id: 25043c6aac (このIDを非表示/違反報告)
ことは - 真緒くん！梶さん！尊い！ (2021年4月15日 18時) (レス) id: 1efa312b7c (このIDを非表示/違反報告)
めご(プロフ) - 空白猫さん» ありがとうございます(;_;)是非推してください〜！！評価もありがとうございます！！ (2021年4月9日 23時) (レス) id: fec7c0a77e (このIDを非表示/違反報告)
空白猫 - 前半…「早くくっついて？」後半…「待ってこのカップル推せるわ」ってなりました…評価たくさん押しますね…神作だと思ったのでッ！！ (2021年4月8日 11時) (レス) id: 10484fbbe5 (このIDを非表示/違反報告)
愛葉 - 半分本気です…(笑) (2021年2月28日 20時) (レス) id: bb433bc26e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めご | 作成日時：2021年1月2日 21時
