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『どっ、どどど童磨…!?』
何故、またこんな所まで。
しかも私が童磨と一緒に帰るだって……?
そんな約束してたっけ?
……いや、してない。
「童磨先輩……!?
えっ、あ、いや……あはは、それじゃ!」
気まずそうに頭を掻き、後ずさりしながらそう言ったモブ男。
さっきまでの余裕そうな顔はどこに行ったんだ。
「あ、そう?
じゃあ、ばいばい」
「さ、さようなら…!」
ニコニコと手を振る童磨に深く頭を下げて、
慌てるように教室を出ていってしまった。
「……、」
男を見送った後、
私に向き直って微笑んでくれた童磨。
もしかして、また私を庇ってくれた……?
私の手をとると、
「帰ろ」
と優しく笑った。
『……うん。ありがとう』
この人は何故そんなに切なそうに笑うんだろう。
私だけの記憶が消えてしまっている事に罪悪感を感じてる?
…いや、この人はそんな事考えるような人じゃない。
それならもしかして、
「…何だったかなぁ。ああいう変な虫が付かないようにって、俺Aちゃんに何か渡してなかったっけ」
『……!』
それはきっと、私が童磨にもらった簪のこと…
前世の記憶だ。
もしかして、私の記憶が微かに残ってる?
「うーん……俺の気のせいかも。ごめんね」
そう言って笑った童磨に返す言葉が見つからない。
『ねぇ、どうして帰り私を誘ったの?』
「何でかなぁ……?
まぁ、何となく。」
『そんな適当な。』
やっぱりこの人は自由すぎる。
前世でも思ってたことだけど、童磨って性格は犬だけど行動は猫だなぁ……って。
いや、たまにその逆もあるけど。でもそんな所が死ぬほど可愛い、好き、愛してる。(真顔)
「ていうかさっきの男の子、お昼にAちゃんを呼びに来てた子だよね。」
『ん、確かにそうだね』
「……ふーん…
あ、そうだ。これから俺と帰ろうぜ」
名案だ!と目を輝かせてる童磨さん。
うん、確かに名案すぎるよありがとうございます。
私得に違いない。
『でも何故急に?』
「だから、何となくだよ」
『好きぃぃぃ……』
「唐突だね」
くすくす笑う童磨は私の好き、という言葉の意味をそんなに深くは捉えていないみたい。
でも、こんなやり取りさえ懐かしく思う。
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ふづき(プロフ) - 久しぶりにタイトル名で検索して一気見したのですが、更新されていてとても嬉しかったです。大好きな作品なので応援しています😭 (2月17日 1時) (レス) id: 29ecdacbc9 (このIDを非表示/違反報告)
花怜?ゃ?(プロフ) - 一気読みしてきました!もう心臓バクバクで午前2時ですが寝れません!!大好きです!! (10月16日 1時) (レス) @page20 id: 9817e1bb68 (このIDを非表示/違反報告)
Rigel(プロフ) - コメント失礼します(*´-`)めっちゃ面白いです!!続きが気になります!!体調にはお気を付けて、更新頑張って下さい(*´꒳`*) (2022年3月23日 21時) (レス) @page20 id: 7f1f562d52 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 初コメ失礼します!ずっと更新楽しみにしてました(;_;)またおもちさんの書く童磨が見れると思うとすごくテンション上がります!!これからも更新頑張ってください!楽しみにしています! (2021年9月27日 23時) (レス) id: f7ce79b087 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - あみさん» こちらこそ嬉しいです……ありがとうございますヽ(;▽;)ノ更新頑張ります!ありがとうございます…!!(゚´Д`゚)゚。 (2021年9月13日 21時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2020年1月16日 22時