13 ページ14
・
・
あれからあっという間に放課後。
転校してきたばかりで部活には所属していないから
私は荷物を持ってすぐに帰る支度をする。
その間、私はお昼休みのあの別れ際の事を思い出していた。
・
「教室に戻ろう」と言ってクラスメイトの男の子が私の手を引っ張ったとき、童磨の手が私たちの繋がれた手の上に置かれた。
正確には手を掴まれた。
とても弱い力だったけど。
ポカン、としたみんなの表情。
童磨も何故かポカンとしていて、
手はすぐに離された。
「…なんでもない!さ、俺達も行こうか!」
そう言うといつも通りの笑みを浮かべて胡蝶と肩を並べて歩き出した童磨。
少し、様子がおかしかったなと思う。
童磨の事だから、余計に色々と考えてしまう。
私もクラスメイトの男の子と肩を並べて歩きながら
気になって少し後ろを振り返ってみると、
童磨と胡蝶は楽しそうに会話しながら歩いていて。
私はため息をついてまた前を向いた。
童磨も振り返ってくれてたらな、それで目が合ったりしたら……なんて、少女漫画みたいな展開を想像してしまった自分が恥ずかしい。
「……、」
「…どうしたんです?振り返ったりなんかして。
何か落としました?」
「……いや、なんでもないよ。」
・
午後からは堕姫と一緒に居たし、誰も近づいてこなくてかなり楽だった。
堕姫ってばどんだけ恐れられてるの?
放課後が終わった瞬間、堕姫は「お兄ちゃんに用事があるからじゃあね!!」とか言って出ていってしまったし。
私一人じゃん。
これだから友達いない奴は。(自分の事)
『さてと』
私も帰るか、と重い腰を持ち上げると、目の前にはいつかのクラスメイトの男子。
略してモブ男。(略してない)
「帰り道はどこ?送ってくよ!」
随分積極的なんだな。
と少し感心。
『一人で帰るからいいよ』
「転校してきたばかりだし危ないよ」
『私強いから』
「なんの根拠があって…?」
しつこいモブ男を無視してドアへと向かう。
「あ、じゃあせめて連絡先でも、」
『だから、嫌だって言っ…』
無視しても無駄だと思った私は振り返ってはっきり断ろうとした、その時。
両肩を後ろから誰かに掴まれ、
そのまま引っ張られた。
振り向けばそこには、
「俺と一緒に帰るんだよね?」
と、笑顔を浮かべた童磨の姿。
・
2205人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふづき(プロフ) - 久しぶりにタイトル名で検索して一気見したのですが、更新されていてとても嬉しかったです。大好きな作品なので応援しています😭 (2月17日 1時) (レス) id: 29ecdacbc9 (このIDを非表示/違反報告)
花怜?ゃ?(プロフ) - 一気読みしてきました!もう心臓バクバクで午前2時ですが寝れません!!大好きです!! (10月16日 1時) (レス) @page20 id: 9817e1bb68 (このIDを非表示/違反報告)
Rigel(プロフ) - コメント失礼します(*´-`)めっちゃ面白いです!!続きが気になります!!体調にはお気を付けて、更新頑張って下さい(*´꒳`*) (2022年3月23日 21時) (レス) @page20 id: 7f1f562d52 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 初コメ失礼します!ずっと更新楽しみにしてました(;_;)またおもちさんの書く童磨が見れると思うとすごくテンション上がります!!これからも更新頑張ってください!楽しみにしています! (2021年9月27日 23時) (レス) id: f7ce79b087 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - あみさん» こちらこそ嬉しいです……ありがとうございますヽ(;▽;)ノ更新頑張ります!ありがとうございます…!!(゚´Д`゚)゚。 (2021年9月13日 21時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おもち | 作成日時:2020年1月16日 22時