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「俺さ、今までずっと何か大事なことを忘れてるんじゃないかってふと思う時があって。
Aちゃんと出会って俺にAちゃんの記憶が無いって聞かされた時に、あぁ、この事だったのかって気が付いたんだ。」
突然、童磨が振り返ってそう言った。
その表情はどこか切なげ。
まさか童磨そんな事を思ってたなんて…。
「もしAちゃんがよかったら、前世の俺達の話を聞かせておくれ」
『……!』
童磨はもう、昔の事なんて思い出したくないなんて思ってたけど。
そんな風に言ってくれて、ホッとした。
とても嬉しかった。
『もちろん、何でも話すよ。
うーん……あ!
童磨への私のアピール方法はね……』
「えっ?
Aちゃん、俺にアピールしてたの?」
おっと。
どうやら童磨が思っていた事と違っていたようだ。
「ふふ、いいよ。
それも聞きたい」
『んうぇ!!?』
ちょっとしょんぼりしていると、優しく笑いながらそう言ってくれた童磨。
突然向けられる優しい瞳に思わず挙動不審になってしまった。恥ずかしい。
『じゃあまずは私が童磨に出会った時の事から…』
「うんうん…」
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しばらく話し込んでいるうちにあっという間に家の近くまで来てしまった。
童磨と離れるのが少し寂しい。
いや、かなり寂しい。
……なんだか、
明日にはまた私の目の前から消えていそうで。
『あ、』
思わず童磨の腕を掴むと、童磨は驚いたように目を丸くさせ私を見つめた。
「……どうしたの?」
少し微笑んで首を傾げる童磨に私はハッとして、
童磨の腕を掴んでいる手を離した。
『ごめん、また明日!』
「……、」
寂しいけど仕方が無い。
何も無かったかのように手を振って童磨に背中を向けようとした時、後ろから手を掴まれた。
「待ってよ。もうちょっと話さない?」
『……!』
嬉しい。
そんな気持ちが表情に表れてしまったのか、
童磨は私の顔を見てクスリと軽く笑った。
『私も、話したいと思ってた』
「えっ」
今度は逆に、童磨がびっくりしたように目をまん丸にさせる。
え?可愛すぎね??
『ご、ごめ……か、軽く死にそう……』
「何があったの」
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ふづき(プロフ) - 久しぶりにタイトル名で検索して一気見したのですが、更新されていてとても嬉しかったです。大好きな作品なので応援しています😭 (2月17日 1時) (レス) id: 29ecdacbc9 (このIDを非表示/違反報告)
花怜?ゃ?(プロフ) - 一気読みしてきました!もう心臓バクバクで午前2時ですが寝れません!!大好きです!! (10月16日 1時) (レス) @page20 id: 9817e1bb68 (このIDを非表示/違反報告)
Rigel(プロフ) - コメント失礼します(*´-`)めっちゃ面白いです!!続きが気になります!!体調にはお気を付けて、更新頑張って下さい(*´꒳`*) (2022年3月23日 21時) (レス) @page20 id: 7f1f562d52 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 初コメ失礼します!ずっと更新楽しみにしてました(;_;)またおもちさんの書く童磨が見れると思うとすごくテンション上がります!!これからも更新頑張ってください!楽しみにしています! (2021年9月27日 23時) (レス) id: f7ce79b087 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - あみさん» こちらこそ嬉しいです……ありがとうございますヽ(;▽;)ノ更新頑張ります!ありがとうございます…!!(゚´Д`゚)゚。 (2021年9月13日 21時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2020年1月16日 22時