東京喰種.Hel (ページ4)

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3話ページ4

結果的に言うとその喰種はものすごく弱かった

『ンー、残念ッ｡日本の喰種も強くなってると思ったんだけどなぁー』

冷めた目をして少女は自分がさっき暇潰しという名の戦いを挑んだ喰種を見た

｢ゴホッ、ガハッ、チクショー...！！なんなんだよテメェ...ゴホッ！｣

『君に遊び相手になってもらおーと思った通りすがりの喰種だよ』

『でも喰種相手にはやり過ぎちゃっかな。私の中でのルールでは人間は重傷、喰種は半殺しまでって決めてるんだ』

見ず知らずの少女にいきなり変なこと言われその喰種は戸惑った｡人間は重傷、喰種は半殺しまで？自分はあともうちょっとで死にそうなのだから半殺しの基準おかしくないかとツッコミたくなったがうまく言葉にならない

『というわけで〝食事〟の邪魔して悪かったね。あー、ていってもなんかもうすぐ君死にそうだね』

誰のせいだ、誰の｡まさかこんな簡単にやられるとはその喰種は思ってもいなかった。一応アオギリの樹の幹部をやってるのにこんな自分よりも弱そうな少女に負けるとは悔しくてならない｡しかも死にそうなぐらいボコボコにされたなんて恥だと心の中で自分自身に対して怒りを覚えていた

｢だからッ...！何なんだよ！｣

『流石にここまでやった私が言うのもなんだけど君のこと助けるね』

少女はいきなり腕を思いっきり咬んだ｡そこからは溢れんばかりの血液が流れてくる｡
すると少女の血液の香りが思いっきり匂ってきてあまりの香りの甘さに顔をしかめた

『起き上がれる？ンー、無理そーだね』

起き上がれなさそうだったため少女は膝の上に喰種の頭を乗せて血液をたっぷり口の中に含みその喰種の顔を自分の顔に近づけると唇を思いっきりふさいだ

突然のことで喰種は目を見開いて押し返そうとしたが怪我をしていて押し返せるだけの力がないのと今まで味わったことのない血の甘さに頭がクラクラしてきていた

(何だこれ...もっと飲みてぇー...)

血液を流し込んだ後また口の中に含みまた口の中に流し込む。これをずっと繰り返していたら傷が癒えてきた

『ん、大丈夫そーだね。んじゃじゃーね｡強く生きろよ少年』

最後に謎の言葉を残して少女は去っていった

後に残った喰種はまだ口の中に残っている甘美な血の味に酔いしれていた

だがすぐ自分が訳の分からない女とキスしてしまったのだということに気づくと顔を真っ赤にさせそこら辺のものに悪態をつきながら何処かに飛んでいった

｢チッ...何なんだよあの女｣