オモイアイ【三途春千夜】

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それから、このユウトさんとか言う男の人とお酒を飲んでる。やっぱホストなだけあってコミュ力に長けていらっしゃる。素晴らしい。


『残業確定した時の絶望感ってほんとにやばいんですよね……』

「うわぁ。大変だね。Aちゃんはいつも頑張ってるよ」




と、このような感じで話をしてるのだけど。ひとつ気になる点がある。




『ゆ、ユウトさん？』

「ん？なに？」

『なんか距離が近いような気が…』


そう。確実に距離が狭まっている。最初は適度なパーソナルスペースが保ててるくらいだったのに今は、膝と膝がくっつくくらい近い。




「だってAちゃん、結構俺のタイプなんだよね」

『え、えぇ…？』

「ねぇアフターしない？」



そう言ってユウトさんの顔が近づいてくる。
どうしよう。寒気と恐怖が止まらない。

好きでもない人とすごく距離が近いのは、こんなにも嫌なことだとは…。




すると、突然周囲が女性の歓声でいっぱいになる。
「誰！？あのイケメン！」
「こんなかっこいい人いたの！？」的な感じに。


それを無視して、ユウトさんはさらに迫ってくる。









「おいさっさとその女から離れろ。さもないとてめぇも周りもこの店ごと全部スクラップだな。」





聞きなれた声がした。
いっつも物騒なことを言う彼の声だ。



「は？誰だよ。邪魔すんな」

ユウトさんはキレた声で後ろを振り返った。
けど、一瞬で興ざめ。


「さ、三途様…なんでここにっ……？」

「あ"？
俺がどこにいようがてめぇには関係ねぇだろ！
つかさっさとその女寄越せや！！！！」

「は、はいっ！！」


ユウトさんは怖気付いて私の隣を空けてくれた。

私が席を立った瞬間、春千夜さんは私の腕を掴む。



『あ、あの、まだお金払ってn(((「今は金なんてどうでもいいからさっさと来い」

『は、はい』




春千夜さんのどす黒い声が店中に響いた。

ちょっと怖いけど、助かった。

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