【マフィア松】後始末屋にはご注意を

注意３６ ページ38

銃を握り締めて、標的を確認する。

が、ソイツは萎縮するどころか殺気を放して咎めるような視線を投げている。


蛇に睨まれた蛙のように体に戦慄が走り、身体が動かなかった。



女が口を開き身を構える。




『...ぅぁ』


聴こえたのは小さな呻き声。





『うぁっ.......ひっく...ｸﾞｩあっ、う、うわぁああぁぁあぁああああん！！！』


劈くような大きな声で泣いて、ボロボロボロボロと溢れんばかりの涙という涙を流し自分の足に落としていく。


俺は何が起こったのかが判らなくなって、取り敢えず感情が高ぶり動揺する。


固まっていた身体はいつの間にかその衝撃で動けるようになっていた。



「泣くなうるさい」

『ｶﾞｯう、うぅ、ふっぅ、うあああ！！』


こんな弱そうな奴に少しでも怯えてしまった自分に呆れる。


「うるっせぇつってんだろ！黙れ！！」

怒鳴りつけて顔を殴る。

バキッという鈍い音がした。

『痛っぐあ、ひっぅ、ごめっ...んなさいっ』


声を必死に抑えて泣きやもうとしているが、嗚咽は止まっていない。


うざったく思えていたのだが、潤んだ瞳に苦しそうにしている顔、俺に怯えているような態度を見て加虐心が湧いてしまった。

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