【佐久早聖臣】この病の名前は恋ではない

19 ページ20

音花「私がなんでAと佐久早くんが付き合ったのにわからなかったのか…最近その理由がわかったわ…！」

A「…わからなかったのが、わかったんですね？」

音花「そう」





昼休みの音花との昼食。



突然わかったかわからなかったのか、ややこしい言い方をする音花に聞き直すと、箸でびしっと言わんばかりの効果音で指される。





A「…で、どうしたんです？急に」

音花「いや、Aについて私の右に出る者はいないはずなのに…ぽっとでの奴が彼氏とかおかしいなと思って」

A「…本人あちらにいらっしゃいますが、言っちゃうんですね？」





流石親友というべきか、着目点が素晴らしいですね。

まぁ、気づくのがだいぶ遅いし唐突ではあるが。



痛いところをつかれたなぁ…なんて思っていると、





音花「ずばり、名前呼びしてないから！」

A「………それ関係ないのでは？」

音花「あるよ！カレカノといえば名前呼びでしょ！」





前言撤回、やはり鋭いようでどこか鈍いようです。





音花「それにAは、私みたいに親しかったら名前で呼ぶじゃん！」

A「…まぁ、佐久早くんとは付き合ってまだそこまでたってませんし」

音花「佐久早くんなんて、Aのこと名前で呼ぶどころか滅多に呼ばないじゃん。ねぇとか、ちょっととかで呼んでくるじゃん」

A「………それは…」





＿＿＿私が本当の彼女じゃないから。



なんて、言えるはずもなく。





音花「ほんとに付き合ってんだよね？」

A「……そうだけど…」

音花「だったら…」





全く、鋭いんだか鈍いんだかわからない音花に参っていると、





佐久早「ほんとに付き合ってるけど、何？」

音花「………」

A「………」





…思わず仲良く箸を落としてしまう私と音花。



唐突なご本人の登場、高身長による威圧のある上からの視線、喧嘩腰の言い方といい、どれをとっても満点(フルコンボ)であった。



＊

20→←18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す