【佐久早聖臣】この病の名前は恋ではない

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佐久早「なんで2人して箸落としてんの…」

音花「いや、なんか佐久早くんがわざわざ来てはっきり言うのが意外すぎてつい…」

A「私もつい…箸洗いに行ってきますね」

佐久早「待って、…未開封の割箸あるからそれ使いなよ。水洗いじゃ菌なんて落とせないでしょ」

A「あ、ありがとうございます」

音花「え、別にいいよ」





同時に返す正反対の返事。

思わずお互いの顔を見合わせる。

それを横にいる佐久早くんは無論、音花の言動に対して「ありえない」と言わんばかりの目でじとりと見ている。



…ああ、こういう所で私が選ばれたんだな。





音花「…な、なによ」

佐久早「…水洗いだけで菌が落とせると思ってるの？」

音花「すぐ拾ったし、軽く洗えれば十分でしょ？」

佐久早「………」

音花「…A、よくこんな神経質な奴と付き合ったわね」

A「あはは…」

佐久早「…こっちの台詞、よくこんなガサツなのと付き合えるよね」

音花「言ってくれるじゃない、Aに名前で呼ばれもしなければ呼びすてでも呼ばれないくせに」





火花を散らす音花と佐久早くん。



頼む、喧嘩しないでくれ…なんて心の声が届くはずもなく。

さらには挑発するように呼び方に対して指摘していく。





佐久早「それとこれとは関係ないだろ」

音花「あら、知らないの？Aは親しい人には名前で呼ぶのよ？」

A「2人とも、そこまでにし…」

佐久早「…A、」

A「………」





…あーもう、





A「…なんですか」

佐久早「名前で呼んで」





どうしてこうなるの。





＊

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