11 ページ11
「…最後やな」
三年生、最後のお昼休み。
私が三年生にこの狐火の家の味を提供するのは、これで最後。
あの子はやってきた。
「市丸!!俺寂しい!!」
「いや僕に言わんといて」
「ここだけは毎日来たよな」
「せやね」
「俺とギンが会ったの、ココだし」
「目玉焼き、結局あげたなァ」
「最後くらいいいの食いてー」
「Aさん、皆そう言うとるよ」
いきなり私に振るか!
びくったよ正直。
でも…
「あ？今日はダメ。今日は私面倒くさいから全員卵かけご飯うどん付き定食、おかわり自由で」
「「えぇえええぇぇぇえぇぇえええ」」
「ま・じ・か」
「おうふ←」
「まぁまぁ、ええやん、それで」
「いいのかよ!俺良くない!!」
…ああやって、仲間に囲まれてるあの子みると、成長したなって思う。
それなら、今日の狐火の家は少し違うって事も分かるかな。
「はいお待ち!!６人分ね」
「うぇーい」
「俺ら卒業すんだよな」
「だからええやんかって」
「気楽だなお前(笑)」
「おかわり自由だよな？俺おかわりする!」
「早く食おうぜ!」
そして、いつもの席に座る。
あの真ん中の席は、みんながあんた達の為に空けてるんだよ。
さて…どうかな。
心なしか、反応が楽しみだった。
…が。
「…上手いよぉばあちゃんんん…(泣)」
「俺らが一番食ってた味じゃん…」
「やべえ！俺泣いてる！」
「どないしよ」
「お前もかっ」
「泣いててツッコミにキレが無くなってるって…」
うわおぅ。
「な、泣かないの!!ここは食堂!!笑って飯を食べる!!最後だよ!!」
「あ、そ、そーだな!!」
「最後だよな」
「みんなおかわりするか？俺もう泣かないからおかわりする！」
「…僕も」
「市丸がおかわり!?」
「と言いつつ茶碗持って立ち上がってるじゃねーか」
「おかわり三つね、はいはい!」
食堂で感動ストーリーか、
…たまにはいいねぇ、こんなのも。
ーそんな彼女は、市丸達三年生が卒業後、狐火の家をやめた。
彼が居なくなると、途端に張り合いが消えた気がして…
そろそろ、「ばあちゃん」卒業だ。
これから何をしていこうか。
自由だ。ふふ。
「ちなみに今日は、いつもより量が多めだったんだけど…おかわり、早かったわねー以外に。育ち盛り？」
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくまどろっぷす(プロフ) - 更新。 (2013年6月21日 22時) (携帯から) (
レス) id: 37a80ee47e (このIDを非表示/違反報告)
さくまどろっぷす(プロフ) - おーぉ！久々にここ来たな！よし、頑張るか！あんま人気ないけど！← (2013年3月28日 21時) (携帯から) (レス) id: 37a80ee47e (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - 更新頑張ってね!(^^)!応援してるよ★ あと、ローズオチの小説やってるから見に来てほしいな★ (2013年1月28日 20時) (レス) id: 58a7ec40b7 (このIDを非表示/違反報告)
さくまどろっぷす(プロフ) - しのさん» ありがとうございます！また月曜日が始まりますね…はぁ← おやすみなさいです(笑) (2013年1月27日 23時) (携帯から) (レス) id: 37a80ee47e (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - 市丸かわいい(´･ω･`)初っ端とのギャップに萌えそうです。更新頑張ってください！ (2013年1月27日 22時) (レス) id: f81f10ec00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくまどろっぷす | 作成日時：2012年12月15日 17時
