突然 ページ27
｢うーん｣
朝練も終わって、今は保健室
間もなく授業終了の時間
いつも通り薬品の棚の整理とか、
色々してたらあっという間だった
今はやることもないので、朝練での国光くんの言葉の意味を考えている
⋯けど考えれば考えるほど分からないな
ｶﾞﾗｯ
｢！｣
乾｢やあ｣
｢あ、貞治くんか⋯びっくりした｣
突然開くドアにびっくりしてしまう
でもそこにいたのは貞治くん
｢怪我？｣
乾｢ああ、いや⋯うん、そうだな。絆創膏もらってもいいかな｣
｢？はい｣
変な間と違和感があったけど、
とりあえず絆創膏を渡す
乾｢すまないね｣
渡した絆創膏をポケットにしまう貞治くん
誰かに頼まれたとかかな
乾｢そうだ、放課後の練習⋯合宿について話があるみたいだよ｣
｢！合宿⋯前言ってた？｣
乾｢ああ。｣
おおついに⋯
光に会える実感が湧いてきた
変わってないといいなあ
乾｢ひとつ聞いてもいいかな｣
｢どうしたの？｣
乾｢もし何かきっかけがあって四天宝寺に、財前のところへ戻れるとしたらどうする？｣
｢へ⋯｣
乾｢大阪にAを苦しめるものが無くなったら、どうする？｣
⋯私を苦しめるものがなくなったら？
そんなの
｢ないよ｣
乾｢？｣
｢あの男が平気な顔して街にいる限り、そんなことありえない｣
乾｢それが｣
prrrrrr
貞治くんが何か言いかけた時、
私のスマホが震える
、光だ
乾｢出て構わないよ｣
｢っありがとう｣
なんだか嫌な言い方をしてしまったかも、と後悔する
でも本当に、あの男がいる限りはそんなこと無理なのだ
財前｢もしもし、Aさん今大丈夫やんな？｣
｢あ、大丈夫、だよ｣
忙しいわけないやろ、とも取れる言い方が少し癪に障るけど、事実なので仕方ない
財前｢大事な話があって｣
｢何かあった⋯？｣
財前｢捕まりましたよ｣
｢捕まる？なにが｣
財前｢⋯あの時の男すわ｣
｢へ？｣
捕まった？
私にトラウマを植え付けた、あの人が
財前｢他にも被害に遭ってた女性がぎょうさんおったらしいすよ。捕まったのはついさっきや｣
⋯本当の、本当に？
ﾄﾞｸﾝ、と心臓が鳴る
財前｢それで｣
分かる。光がこれから言うこと
私が今最も、困ること
財前｢⋯大阪に戻ってきてほしいねん｣
⋯やっぱり
じゃあさっきの話は、と思って
不意に貞治くんを見ると
メガネをサッと上げて、頷いていた
さすがデータ収集が趣味なだけある
あの男のことを色々調べたんだ
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MOMO(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張って下さい。 (2022年10月25日 16時) (
レス) @page32 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
牧(プロフ) - 毎日の楽しみです！財前とこれからどうなるのかもワクワクですね！ (2022年9月4日 17時) (レス) id: 0d6f1959a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なち | 作成日時：2022年7月13日 22時
