アイム・ヰノセント／２ ページ28
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「 ……え、え？なんでサリーもAもそんなに他人行儀なの？ 」
「 衣更くん…？なんかあった？ 」
スバル。真。北斗。覚えてる、覚えてるのに。なんでこの子の名前だけ。脳が音を立てて軋む。歯車が噛み合わずに、歯だけがすり減るだけである。そういえば凛月だって、あの子の名前を聞いた時不思議そうな顔をしていた。自問自答を繰り返すうちに、記憶はどんどん薄れていく。
「 ……あんた、誰なんだ？ 」
「 こっちの台詞ですけど… 」
薄れていく色も、記憶も、取り戻されることはなく時間の流れに沿って流されてゆくだけ。やはり、彼女とは初対面で、何の関係もなくて。きっと周りが、可笑しいだけ。
「 ……だってお前らは、 」
「 え？ 」
「 ん？氷鷹くん何か言った？ 」
北斗の呟きは耳に届くことなく、これもまた流されていった。その内に色は着々と薄れていって、やがてはモノクロになってしまうのではないか。意味も理由も、はっきりしないまま。唯、彼女の周りだけが明るく暖かいような、そんな気がしていたのだ。
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次の日、朝起きてリセットされたと思ったのにも関わらず未だ色は見つからない。寧ろ昨日よりも薄れたのではないか。端末を手に取り、確認。その一瞬、体の内側から突き抜かれるような感覚に息が出来なくなった。
「 ………誰だよ、 」
ロック画面には知らない女の子。流石に気味が悪い。早々に電源ボタンを押し、腕を摩った。今日はいつもの時間に起きられたことに安堵し、幼馴染を迎えに行く準備をしようと、そんなことを考える。
ーー待てよ。
もし昨日も、あの子が誰か分からなかったとしたら何故。何故俺は端末の画像を変えていない？何故端末から、あの子の写真を削除していない？この違和感、身に覚えがある。確か昨日も…と、考え始めた途端、何かが後ろから迫ってくるような感覚に襲われた。あの子のことは一切知らなくて、あの子も俺を知らなくて、周りだけがおかしくて、“ あの子を知らない ”俺、だけが。
無実だ。潔白である。無実だ。最初から、あの子なんて知らなかった。どうして、こんなにも焦っているのかわからない。肌が粟立つ。荒い呼吸を繰り返して。
無実、である。
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苺果汁(プロフ) - とくめい様、ねむい様、素敵な作品をありがとうございました！ (2018年11月6日 0時) (
レス) id: d7b47249f9 (このIDを非表示/違反報告)
苺果汁(プロフ) - コメント失礼致します。殆どの夢主やあんスタキャラが自殺を選ぶ中で三毛縞さんだけが彼女の幸せを願って生き続けることを選んでいるのが胸に刺さりました。三毛縞さんのソロ曲が彼の本心であるのなら本当にそう行動しそうだなと思い、思わず涙が出てしまいました； (2018年11月6日 0時) (レス) id: d7b47249f9 (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - まめだいふくもちさん» わああまめさんありがとうございます光栄です…！コメント見た瞬間息止まりそうでした本当にありがとうございました…！ (2018年3月21日 8時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - コメント失礼します。お二人とも好きな作者さまなので、お二人の合作短編が読めてとても嬉しいです。忘愛症候群という切ない題材を繊細な文章で書き上げられていて、どの話も素敵でした。作品を書いてくださってありがとうございました！ (2018年3月18日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
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