磔/3 ページ26
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薄れ行く記憶と、否が応でも引き剥がされるふたりの距離に、みっともなくも取り付いたのは自分の方だった。
おれのことなんて忘れて、素敵な人と恋に落ちて幸せになって、なんてそんなかっこいいこと、嘘でも言えなかった。
忘れるのは自分の癖に、縋るおれの姿は彼女の目にはどう映ったのだろうか。
「…ごめん、ごめんな、……Aちゃん」
そんなおれは、きっと顔を見て直接謝ることすら赦されないのだろう。
今、こうして思い出したということは、彼女の末路なんて知れている。
__おれの為に、そこまでせんでも良かったんよ。
なんて、言葉はやはり勝手過ぎるのだろう。
約束を守りきった彼女と、口先だけのおれは、向こうの世界でも釣り合うはずがない。
ふと目線を下に向けた時、カーペットに染み付いた涙の跡を見つけた。
それを見て連鎖的に思い出されるのは、やはり、彼女のことだった。
昨日、彼女が涙を流した訳____それを漸く理解したところで全てが遅いのだ。
もう、彼女は何も言わない。
その双眸から液体を流す事もなければ、その口でおれを責めることもないだろう。
しかし、その痕跡だけは、今確かにおれを責めているような気がした。
__永遠に忘れてくれるな、と。
まるで、おれに
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苺果汁(プロフ) - とくめい様、ねむい様、素敵な作品をありがとうございました! (2018年11月6日 0時) (レス) id: d7b47249f9 (このIDを非表示/違反報告)
苺果汁(プロフ) - コメント失礼致します。殆どの夢主やあんスタキャラが自殺を選ぶ中で三毛縞さんだけが彼女の幸せを願って生き続けることを選んでいるのが胸に刺さりました。三毛縞さんのソロ曲が彼の本心であるのなら本当にそう行動しそうだなと思い、思わず涙が出てしまいました; (2018年11月6日 0時) (レス) id: d7b47249f9 (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - まめだいふくもちさん» わああまめさんありがとうございます光栄です…!コメント見た瞬間息止まりそうでした本当にありがとうございました…! (2018年3月21日 8時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - コメント失礼します。お二人とも好きな作者さまなので、お二人の合作短編が読めてとても嬉しいです。忘愛症候群という切ない題材を繊細な文章で書き上げられていて、どの話も素敵でした。作品を書いてくださってありがとうございました! (2018年3月18日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
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