九条の貴婦人 (ページ39)

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滝川「青森の？」

九条「おーそうじゃ、今頃の時期にいつも神事の手伝いをしに行っていたよ。会いに行くかい？」

そう聞かれ滝川は迷う

滝川「……連絡はしてみようと思います」

九条「そうか……君はAのコーチをしているそうだが、あの子はどうだ？」

滝川「Aさんならいつも安定した高的中で部員とも仲良くやっていると思います」

九条「それはよかった、あの子最近というか彼氏ができてから学校のことを話さなくなってのう」

鳴宮「(彼氏？！やっぱりあのフードの人がAの彼氏なのか？)」

孫は思春期なのかと悩む九条と滝川が話をする間鳴宮は頭の中から【彼氏】という言葉が離れられない

滝川「そうだ、この子は西園寺先生の弟子なんですよ」

九条「弟子？西園寺の？」

鳴宮「は、はい！」

驚いたような九条は鳴宮を見るが何かを思い出したように彼に詰め寄った

九条「もしかしてAと中学一緒だったかな？」

鳴宮が頷き何故知ってるのか聞くと「西園寺の弟子2人と出会ったと前にAが話していたと思い出してな」と答えが返ってきた

孫を想う九条の姿を見て滝川は自分のじいさんはそうだったのだろうかと思っていた……

後日、部員に背中を押された滝川は県大会本戦の前日に大曽根の元へ向かった

滝川不在の部活でもしっかり練習し怠けたら女子軍が尻を叩くという充実した日となり本戦を迎える……

当日になり待機場所で滝川を待っていたがやってきたのは中崎だった

中崎「みんな、落ち着いて聞いてくれ。蓮から俺んとこに知らせがあった……雅貴のやつ、車を運転してて事故に遭ったそうだ」

中崎から伝えられた話は部員の心を揺るがすのに十分な重い話であった

竹早「怪我は？無事なんですか？」

中崎「すまん、俺も詳しくはわからねぇんだ。ていうか知らせてくれた蓮もまだ病院にはついてなかったみてぇでえらい慌てっぷりだったな」

事故と聞いて今でも強く動揺する鳴宮を竹早は心配そうに見ていた

中崎「これから県大会に出場するおまえさんたちに伝えるかは正直迷った、だが雅貴のやつ出る前にうちの店にこんなものを注文していてな」