九条の貴婦人 (ページ16)

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小野木「俺を呼びだしたの、あいつの話を聞かせるためか？」

山之内「ギク！」

如月「まぁね、かっちゃんがなかなか素直にならないからきっかけがいるかなって」

不貞腐れた顔をする小野木になんていえばいいかわからない山之内だったが彼はまた前に歩き出す

だが弦音の音が聞こえた瞬間、背中を押された気持ちになり決心を決めた山之内は小野木を呼び止めた。今言わなければいけないと思ったからだろう

呼び止められた小野木は足を止める

山之内「俺さ、早気をいろいろ調べてあれがどんなに弓引きにとって厄介で湊が苦しんでたかわかったんだ。そんな湊を俺たちが無理やり部活の試し引きで引っ張り出した時、あいつはどれだけ緊張して弓を引いてどれだけ絶望したんだろう……でも湊はそれを乗り越えて部に来てくれた！だから、俺は信じるよ！いつか早気を克服して必ずすごい射を俺たちに見せてくれるって！！」

山之内のまっすぐな視線に小野木はハッとした

如月「かっちゃん？素直になるなら多分これが最後のチャンスだよ」

小野木「……やっぱり俺はまだ鳴宮のこと信用できねぇ」

その言葉を聞いた山之内は落ち込んだ顔をする

小野木「でも遼平……仲間のために必死になってるおまえのことなら信じられる」

山之内は頭を上げ如月と共に顔を明るくする

小野木「そんなおまえが鳴宮を信じてるなら仕方ねぇ、俺もとりあえずは鳴宮のことを認めてやる！ただしあくまでとりあえずだけどな！」

放課後の部活動にて小野木は鳴宮に指差した

小野木「だがいいか！怠けたり嘗めた射をしやがったら容赦なく叩き出すからな！！」

鳴宮「誓うよ、そんなこと絶対しない」

小野木「じゃあ仕方ねぇ、好きにしろ」

こっぱずかしそうにする小野木に山之内と如月は顔を見合わせた

如月「うぇーい！！かっちゃんツンデレー！」

小野木「七緒、うぜぇ！！」

竹早が微笑んでいると隣にはまたもトミー先生がいた

トミー先生「君は手出しせんつもりなのかと思っておったがの」

孝枝早「そうもいってられない感じになっちゃったので……結局、根がお節介なんですよね」

トミー先生「なに、それも友情じゃよ。雨降って無事に地が固まったようで結構」