220話 ページ23
一歩、また一歩とゆっくり足を進める。季節ももう夏だ。放課後のこの時間は、太陽がカンカンに照っていて、日の下にいるだけで体力を奪われる。
その日の下に、彼女は立っていた。
私が来たのに気が付いたのか、彼女はゆっくりとこちらに顔を向ける。
「やっと来た。待ちくたびれたよ。」
唾を飲むと、ゴクリと喉が鳴る。
「やだなあ、そんな怖い顔しないでよ。ほら、こっちに来て？まずは世間話か何かから始めようじゃない。」
駄目だ、完全に空気に飲まれてる。彼女のペースに流されている。落ち着かなきゃ。
「そうだね。」
ゆっくりと足を進め、愛ちゃんの隣に立ち、二人で屋上からグラウンドを見下げる。そこからは、本当に何でもない話をした。今年の夏の暑さは異常だとか、最近の世の中は物騒だとか、夏になれば必ず出る戦争の話や、最近話題になっている政治問題についてなど、少し難しい話もしたりした。
お互いの趣味、好きなこと、苦手なこと、好きな音楽や芸能人、意外にも私たち二人は共通点が多くて、話しているうちにどんどん楽しくなって、二人とも笑いながら、共感し合いながら話をした。
今思えば、お互いの事を話すのは今が初めてかもしれない。私たちは、お互いの事を何も知らなかった。
「こんなことがなければ、私たち、本当の友達になれていたのかな...」
ポロッと、心で思ったことが口から漏れた。
その言葉に、彼女は何も言わなかった。
「どうしてこんなことになっちゃったんだろう...」
続けて放った言葉に、今度は反応があった。
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彗(プロフ) - さっき読みはじめて今読み切りました。号泣です。素敵な作品をありがとうございました (2020年2月23日 1時) (
レス) id: cf7fdf27c9 (このIDを非表示/違反報告)
みのもんた(プロフ) - ぁ、、あぁ( ；∀；)愛ちゃん、、、うわぁぁああ(TTTTT□TTTTT)もぅいい話すぎますよぉ！！なんかもぅすごい引き込まれました！！泣才能ありますよ！！まじで！そーゆぅアニメ見たいですほんとに。ぁあー読み終わっちゃったのがすごく残念。。これからもファイトです！ (2017年10月22日 15時) (レス) id: fd2eec93e7 (このIDを非表示/違反報告)
すふぃ - あぁ、目からポカリが、、、、 (2016年10月23日 18時) (レス) id: 38e1760aba (このIDを非表示/違反報告)
夕凪*ﾟ - すごくいい作品で一気に読んでしまいました…!!本当に感動で涙がとまりません（ ; ; ）素敵な夢をありがとうございました!!! (2016年4月3日 1時) (レス) id: ca1c6f1dc0 (このIDを非表示/違反報告)
白雷(プロフ) - すごくいい！ (2015年8月22日 11時) (レス) id: 55569623d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃瑚 | 作成日時：2014年2月28日 19時
