215話 ページ18
私が何か言ったところで、何も変わりはしない。私は二人の方に見向きもせず、廊下をそのまま進んでいった。
用事がある。
あんなのはその場で思いつた嘘だ。用事なんてないし、行く宛もない。SHRが始まるまでどうしようか。また図書室でも行こうかな。なんて事を考えていると。
｢ああ！Aっち！｣
突然聞こえた声に私は声のする方を振り向いた。するとそこには、もの凄い勢いでこちらへと向かってくる黄瀬くんがいた。
｢え、え？ちょっと、何事！？｣
いきなりのこと過ぎて、状況が理解できない。でも一つだけわかることは、このまま突進されでもしたら私の身体が砕けてしまうこと。
｢ちょっと待って黄瀬くん！ストップ！｣
駄目だ、ぶつかる！、と思ったところで、黄瀬くんは私の前で急停止した。続いてガシッと私の手を取った。
｢あの...？｣
｢Aっち！｣
｢は、はい...なんでしょう...｣
さっきから一体なんなんだ、この人は。
｢良かった〜！いつものAっちっス〜！｣
なに、どういうこと。状況がいまいち分からない。
｢俺、Aっちに謝りたくて...本当に今までのこと、反省してるっス。ごめんなさい。謝って済む問題じゃないってことは、馬鹿な俺でも十分わかってるっス。ただ、この気持ちを早くAっちに伝えたくて。｣
ああ、これが昨日さつきが言ってた...謝罪の嵐とかってやつね。
｢いつもより早く来たのは、私に謝るため？｣
｢もちろんそうっス！｣
そっか。これだけのためにわざわざね...
｢黄瀬くん、ありがとう。でも、私も黄瀬くんに沢山迷惑をかけた。だから私からも、ごめんなさい。えへへ、これでおあいこだね。｣
そう言っているうちに自然と笑みが零れた。
｢Aっち〜！！｣
｢わっ！？ちょ、泣かなくても...｣
｢だって〜！｣
綺麗事。そう思うかもしれない。そうかもしれない。だけど、綺麗事でもいいと私は思う。
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彗(プロフ) - さっき読みはじめて今読み切りました。号泣です。素敵な作品をありがとうございました (2020年2月23日 1時) (
レス) id: cf7fdf27c9 (このIDを非表示/違反報告)
みのもんた(プロフ) - ぁ、、あぁ( ；∀；)愛ちゃん、、、うわぁぁああ(TTTTT□TTTTT)もぅいい話すぎますよぉ！！なんかもぅすごい引き込まれました！！泣才能ありますよ！！まじで！そーゆぅアニメ見たいですほんとに。ぁあー読み終わっちゃったのがすごく残念。。これからもファイトです！ (2017年10月22日 15時) (レス) id: fd2eec93e7 (このIDを非表示/違反報告)
すふぃ - あぁ、目からポカリが、、、、 (2016年10月23日 18時) (レス) id: 38e1760aba (このIDを非表示/違反報告)
夕凪*ﾟ - すごくいい作品で一気に読んでしまいました…!!本当に感動で涙がとまりません（ ; ; ）素敵な夢をありがとうございました!!! (2016年4月3日 1時) (レス) id: ca1c6f1dc0 (このIDを非表示/違反報告)
白雷(プロフ) - すごくいい！ (2015年8月22日 11時) (レス) id: 55569623d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃瑚 | 作成日時：2014年2月28日 19時
