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第34話「恋人ごっこ」夢主 ページ35

その後、敦君が謎のどや顔を貰った後、太宰さんは軽く事件の説明を受けていた。
……因みに私は太宰さんに抱き着いたままである。

「……という訳なのです。」
「何と!かくの如き佳麗なるご婦人が若き命を散らすとは……!」
「太宰さんがそれ云います?あと若き命って、太宰さんと大して齢変わりませんから。」

私は不満を伝える為に、口を尖らせながら、そう云う。

「何という悲劇!悲嘆で胸が破れそうだよ!どうせなら私と心中してくれれば良かったのに!」
「よくスラスラとそんな言葉出てきますね……。どうせなら、私の事ももっと褒めて下さっても良いんですよ、太宰さん?」
「……何を言ってるのかな。私はいつも褒めてるつもりだが。可愛らしくて私のお願いは何でも聞いてくれて、私を支えてくれる!君は最高の部下だよ!」
「私、太宰さんに都合のいい女だと思われてたんですね……。」
「ち、違うよいろは!誤解だ!機嫌を直してくれ給え!」
「……あの、乱歩さん。」
「付き合ってないらしいよ。僕にもあの二人の関係の謎は解けない。」

私と太宰さんが恋人ごっこ(?)を繰り広げていると、その直ぐ後ろで棒付きの飴をガリガリとかじっている乱歩さんと敦くんはそんな会話をしていた。

……太宰さんは、私がかなりショックを受けているのを感じ取って、少しでも気が楽になる様にと、茶番に付き合って下さったのだ。
太宰さんは、本当に完璧な方である。

「……誰なんだ、あいつは。」
「同僚である僕にも謎だね。」
「ちょっとそこ!物凄く失礼ですよ!私の恩師である、太宰さんに対して!」

私がそう、指差して言っていると、すぐ隣で太宰さんは再び役者スイッチをオンにして、「しかし安心し給え、ご麗人。」等と云っている。
明らかに私の半分以上本音だった私の言葉を聞き流していたらしい。

「__ねぇ、乱歩さん?」
「ところが僕は未だ依頼を受けていないのだ。名探偵居ないねぇ、困ったねぇ。」

乱歩さんはそんな事を云いながら、良いことを思いついたらしく、ニヤリと笑う。
其れはまるで、中也さんにする悪戯を思いついた時の太宰さんのようだった。

第35話「即席名探偵」夢主→←第33話「第二の被害者」中島敦


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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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業猫(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます……修正しますので少々お待ちください;; (2020年6月4日 23時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 名字を設定しても、(名字)のままなんですけど.... (2020年6月4日 23時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:業猫 | 作成日時:2019年5月20日 18時

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