川を眺めても誰も流れてこなかった。【文豪ストレイドッグス】

プロローグ ページ1

僕の名前は御門茉莉。
ポートマフィアに潜入中の猟犬部隊六人目です。
今日は元同僚のお見舞いに来ています。
どうやらその人、今精神がやられているらしい。
大丈夫かな。

「やっほー弟くん、元気かい？」

窓の方を見ていた太宰治くん。僕の方をばっと向く
目を見開き、びっくりしているみたいだ。

「弟くん？今、私のことを弟って言った？」

弟という言葉に過剰反応している。
だろうね。みんな彼のことを知らないもんね。

「嗚呼、言ったよ。太宰Aの弟の太宰治くん。」

僕の顔を見てじわりと涙が出始める弟くん。
だって僕と君だけだもんね。太宰Aを知っているのは。

「良かった、兄さんのこと、覚えている人がいた...！」

柄にもなく泣き出す弟くん。
ちょっとびっくり。
だけど、僕はそんなこともお構いなしに言葉の間違いを正す。

「弟くん、覚えている(・・・・・)んじゃない。知っている(・・・・・)んだよ。」

弟くんが困惑している。

「其れは、どういうことだい？」



僕はニヤリと笑って返事をする。


「今日はそれを教えるために来たんだ」

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