一話目 ページ2
「ねえ弟くん。君は“本”の存在を知っているかい?」
僕は弟くんのベッドの傍にあった丸椅子に座り、お見舞いに持って来たナイフとカゴいっぱいの林檎を傍に置き、脚を組む。
「一冊の小説で...書いたことが現実になる白紙の文学書...だろう?」
林檎の皮をシュルシュルと剥きながら話を聞く
美味しそうな林檎だね。
「そう、そのニュアンスで合ってる。完璧に合っているってわけでも無いけど其処は大事じゃ無いから大丈夫...」
剥いた林檎を弟くんの前に差し出す。因みに林檎は切り分けてないぞ。丸く剥いただけだから。
弟くんは要らないと一言言い、
「それで...本と兄さんに何の関係が...ッ!」
僕に聞こうとした直後、察しがついたらしい。右手で口元を押さえ、ブツブツと独り言を言っている。
こういうとこ、兄弟似てるよね。
林檎を齧りながら僕は続けた。
「君が察したように、君が居た世界は本の中の世界、所謂“並行世界”なんだよ。」
シャクっという林檎の咀嚼音が響く。
瑞々しいね。美味しい。さすが森さんの選んだ林檎だ
「じゃあ、今私達がいる世界が本軸ってわけか」
「いいや、それは違う。」
弟くんが困惑した表情でこちらを見る
「此処もまた本の中の世界。並行世界の中だよ。」
「何故それが判るんだい?」
僕は椅子から立ち上がり、食べ終えて芯しか残っていない林檎を塵箱に捨てた
「本軸には存在するはずも無い人物が居るからさ。」
「この僕、御門茉莉だよ。」
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福助(プロフ) - Nagiさん» あああありがとうございます!!!!!!長らくお待たせしてしまいほんとうに申し訳ない.....がんばりますね!! (2021年3月24日 23時) (レス) id: 3c0e1977a3 (このIDを非表示/違反報告)
Nagi(プロフ) - 待ってました!これからも頑張ってください!! (2021年3月24日 14時) (レス) id: 45c1e8fe39 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 更新頑張ってください! (2020年5月14日 15時) (レス) id: 1feaec087f (このIDを非表示/違反報告)
福助(プロフ) - 凛さん» うふふw続きが気になるとかすごい嬉しいですがんばります! (2020年3月15日 13時) (レス) id: 1dc94ab568 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - なに なに どうなってるの 続きすごく気になります 更新頑張って下さい (2020年2月24日 19時) (レス) id: 6cf2837f77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふくすけ | 作成日時:2020年2月14日 20時