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#-5 ページ31

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ーーーーA、中也、太宰、18歳



任務を終え、中也と揃って森さんのところから戻っていると奴に見つかった

言わずもがな、何年経っても飽きずに刺さったナイフを抜けだの、殴れだの言ってくる例の変人だ

私と違って死にたい訳では無いはずなのに、身体の傷は年々増えている

その傷を一つ一つ手当てするのが面倒になったのか、数年前よりもAは包帯だらけだ




A「やぁ中也、太宰。任務終わりかい?」




建前だけのAの言葉を受け流す

中也と違って背丈も伸び、一見すれば魅力的な女性へ近づいているが如何せん中身がアレだ

宝の持ち腐れとでも言おうか




中也「よし。今日はなにも刺さってないな」


A「今から刺そうか?」




首を傾げながらそう言うと、懐から短刀を取り出し自分に向けるA

ほら、中身が残念だ




中也「刺すなよ!!」




付き合ってられない、と足を踏み出せば予想通り行く手を阻まれた




A「頼む、太宰。君のその中也の足元にも及ばない非力な打拳でも構わないから殴ってくれないか?」


太宰「…お願いの仕方がなってないね。勿論答えはノーだ。中也にでも頼むといい」


A「中也の打拳は痛くも痒くもない」


中也「はぁ?聞き捨てならねぇな。いっぺん受けてみるか?」


A「いやだね。骨折するか内臓が傷つくだけじゃないか。それよか中也。私の異能を受けてみるかい?大の大人でも奥歯ガタガタ鳴らして小便ちびるよ」


中也「っ手前!女がそんな言葉口にすんじゃねぇ!!また姐さんに怒られんぞ!!」


太宰「…はぁ」




中身だけじゃなかった

口も悪いんだった

散々姐さんに叱られてるくせに治す様子がない

此処へ来るまでは親としか関わりがないらしいが、どこでそんな言葉を覚えたのか…




A「ねぇ太宰ぃ1発でいいんだよ、1発で」




それで今は満足するからさ。と気色悪いお願いを続けるA


出会ってからの数年間、この類いのお願いを何万と聞いた

こうして口だけの時はまだ良い

適当にはぐらかせてあしらう事ができるから

だが、稀に森さんを味方に付けることがある

森さんだけじゃない

良いように丸め込まれた織田作までもが、望みを叶えてやれと言うのだ

織田作にどう説明をしたのか

詳しいことは知らないが、十中八九織田作は勘違いをしてる

Aの詭弁を真に受けたのだろう



知らぬ間にAは、織田作や安吾とも親しい仲になっていたーーー

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作者名:エバ。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年5月16日 12時

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