依存症。【名前変換オリジナル】

第２話 ページ2

「Aっていつもそれ飲んでない？」
「･･･そうかな。」

１番眠気覚ましには効果がある気がするから、ね。
いつもと同じキャラを演じて１日を過ごしていく。

「次の時間は･･･生物か。」
「あ、A〜一緒行こ〜。」

美希の言葉に頷いて階段を上がる。生物の授業は嫌いだ。生き物はみんな、気持ち悪くて醜い。

「あー早く帰りたい。」
「ほんとそれなー。」
書かれていたのか、とギョッとして後ろを振り向くと美希がニヤッと笑った。

カエルのの解剖について。
今が分からない、カエルの内臓に知ってなんの役に立つというのか。

机の下に隠したスマホで、文字盤を見ずに新しく物語を作り上げていった。



「これで授業を終わります。礼っ！」
「「「「「ありがとうございました」」」」」

制服の中にスマホを隠して生物室を出る。

「Aさんってなんか謎めいてるよね。」
「それなー。あの子って笑うのかな。」

私だって笑うし泣くし怒る。
それを全部スマホとパソコンの中に置いてきただけ。

「Aごめんっ！現代文の教科書貸して！」
隣のクラスの由佳が２年Ａ組のクラスに顔を出した。

「ん、良いよ。」
「ありがと〜‼︎さすが委員長だね！」

由佳の歓声に周りのクラスメイトはまたか、と言う風に苦笑する。

全部“優等生の私”が作り上げたもの。



都合の良い時だけ取り囲む人間は本当に、醜い。

普段は私の努力を“当たり前”と言って流すくせに。



だから、いつでも私を認めてくれる本の蝶が、ネットが本当の私の生きるべきところ。



＊＊＊
はじめてこういう感じの主人公描くなぁ。
普段はナチュラルサイコパスか気だるげ系の子が主人公なのでこういう病み系優等生は少し新鮮。

ワクワクする反面、少し不安です。

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