依存症。【名前変換オリジナル】

第１話 ページ1

“ クロネコさんの作品本当におもしろいです！”
“描写がリアル過ぎて鳥肌立った･･･”

コメントには私の作品を絶賛する言葉が溢れている。
編集画面を開いて文字を打ち込んでいく。

幼い頃から殺人に手を染めている少年の話。牢屋から脱獄しようと策を立てているところで更新は止まっている。

“更新遅くなってごめんね！”

文字数のギリギリまで使って話を区切らせ、私は保存の文字を押した。
反応を待っていると、目覚まし時計が今日も耳障りな音を立てる。

「ｯﾁ」
微かな舌打ち音が部屋に消える。私は制服に腕を通して部屋のドアを開けた。

「おはようA。」
「･･･おはよ。」

顔も見ずに返事をすると、わざとらしいため息が聞こえる。

「お母さん今日遅くまで仕事だから。」
「はーい。」
いつもの通り中身のない会話を済ませつつ、私は準備を終わらせた。

「いただきます。」
サラダを完食し、家を出た。

バスの中でもう一度本の蝶を開き、別の作品を更新した。

《次は、Ｙ学園前、Ｙ学園前でございます。》

もう着いたのか。



はぁ、今日もつまらない生活が始まる。

「おはようA！」
「ん、おはよ。」

小学校から大学までエスカレーター式だったから、って選んだのが悪かったのか、

それとも私に合う学校なんて存在しないのか。


「まぁ馬鹿がいないだけマシか。」


私は今日もいつもと同じコーヒーを買って、
眠気と本性を無理矢理誤魔化すんだ。

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