姉を潰すために夢ノ咲行ったら姉が逆ハー築いてた件について。

#０２４ ページ28

「り、凛月先輩……ですか？」









ガタガタしていた棺桶がピタリと止まる。









そして、









零「り、凛月がどうしたんじゃ！？」



おじいさん的な喋り方の人が中から出て来た。









「あれ、凛月先輩じゃない……」



凛月先輩はもっと目が丸めで眠そうだったし髪はもうちょっと短かったはず。









けどこの人は、髪が長めで目もシュッとしてる。









ひ「えっとね、この人は同じ“朔間”でも兄の方」





「兄……凛月先輩の？」









そうそう、と言う葵くん達と奥でにこにこしている朔間(兄)。





うーん、言われてみれば髪色や目の色、独特の雰囲気が同じ気がする。




「本当に凛月は可愛くての……」



「はは…。でも凛月先輩は“顔も思い出したくない”って言ってましたけど」






ひ「うわぁ、あえてそれ言っちゃうとか」



ゆ「Aくん鬼……」








「へ？」



え、何その反応。禁句だった感じ？









そう思いながらチラッと横を盗み見るけど、先輩は「うっうっ」とわざとらしく泣く真似をしてるだけだった。









うん、この人がゆうたくんの言う「棺桶で寝てる人」…か。









ならあともう一人、「俺を嫌ってそうな人」が居るはず。









そう思いながら後ろを向く。



正直俺の場合は部活選びに大事なのはメンバーだ。


今のところは軽音楽部のメンバーはokだから、ここに入部するかは最後の一人に掛かってるとも言える。









だから是非見たいんだけど………遅い。




俺も暇じゃないんだよね、過去の俺のせいで。








切実に早くして欲しい…………









そう思ったその時、









「おい吸血鬼ヤロー！」









バァンッと俺の背後のドアが勢い良く開けられた。

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