おはよう side,M ページ3
「おーきーろー!」
おはようございます、衣更真緒です。
今日もいつも通り、朝7時半、凛月を起こしにお邪魔してます。
そしてこいつも、相変わらずまだ寝てます。
俺が起こしに来たのに。
もう5分は経ってるのに。
「凛月〜、(いつものことだけど)遅刻するぞー?」
凛月が丸まった布団の中でモゾモゾと動き出し、小さな寝癖とともに、ヒョッコリ顔を出す。
「ま〜くんが着替えさせてくれるなら、起きてあげる」
起きて『あげる』って……
でも、そうでもしないと起きないよな…
俺も遅刻するし。
「わーかった。着替えさせてやるから、ベッドから降りろ」
あくびをしながらのっそりとベッドから降りる。
俺がYシャツのボタンに手をかけたとき、不意に後ろにあった鏡を見た。
今じゃ後悔してる。
………凛月、牙出てる…?
俺はパッと鏡から目をそらした。
いや、気のせいだ。
無意識に、手が震えた。
「ま〜くん?顔真っ青だよ?大丈夫?」
凛月が覗き込むようにして俺を見た。
……やっぱり、牙、出てる……
なんで?
なんで今、なんで今なの……?
ヒヤリと、冷たい凛月の手が、俺の額に触れた。
「う、うわぁぁぁっ!!」
俺は飛び退いた。
凛月が、鏡をちらりと見る。
瞬間、泣きそうな顔で、俺を見た。
「ご、ごめん……ま〜くん、ごめんね……」
目には涙を溜めていた。
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