9話 ページ10
ビルの中に入ると、逃げ遅れた人がヤミーに捕まっていた。
なんとか手を掴んで、引っ張る。
すると足元が崩れた。
なんとかぶら下がっているものの、手がすべる。
そしてとうとう手が離れたとき、誰かが俺の手を掴んだ。
｢馬鹿にも程がある。お前に死なれちゃ困るんだ｣
手だけになったアンクが俺の手を掴んで助けた。
｢お前…刑事さんから離れたな！？｣
自分が憑いていないと10分ももたないと言っていた。それが本当なら、刑事さんは死にかけのまま倒れていることになる。
｢人の心配をしている場合か？さっさと変身
しろ！｣
Aちゃんの言っていたことを思い出す。
強欲。
それがグリード。
今は死んだら元も子もないから俺を変身させる。でもきっと、またアンクはメダルのために人を見捨てるつもりだ。
｢その前に約束しろ！｣
また手がすべる。
｢俺が変身したい時は絶対に変身させる。人の命よりメダルを優先させるな！｣
もう限界まで来ていた。
すべるすべらない以前にもうつかまっていられない。
｢でなきゃ…二度と変身しない！！｣
思った通り、アンクは迷う。
何よりもメダルが大事だということは、Aちゃんとのやり取りを見て知っている。
そうこうしている内に、とうとう手が離れて落下していく。
そうしてからようやくアンクが俺にベルトをつけた。
｢約束するのか！？｣
念のため、アンクに返事を求める。
｢あぁわかった！！早くしろ！！｣
半ばやけくそといった様子でアンクは叫ぶ。
タカ！トラ！バッタ！
タットッバ！タトバ、タットッバ！
トラクローで壁を引っ掻きなんとか減速。
無事に地上にたどり着いた。
｢助かったぁ！｣
生きた心地がしない。
｢映司さん！！｣
少し落ち着いているとAちゃんが慌てて走ってくる。
渡したパンツが血で真っ赤に染まっていた。
｢Aちゃん！大人しくしてて！！｣
あれ以上傷口が広がったら本当にまずい。
後で病院につれていくことを決めて、巨大に膨れ上がったヤミーを見上げる。
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ゆきみだいふく - ザヨコー (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 45dbd6a8fa (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 藍澤 水希さん» ありがとうございます。自分でも一期と二期、しかも小説まで混ぜるという無茶苦茶の意味がわからなくなってきていたので、喜んでいただけたのなら安心しました。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4a5d5c82f4 (このIDを非表示/違反報告)
藍澤 水希(プロフ) - 剣もオーズもすごく好きなので私に凄く嬉しい作品でした……！！書き方もお上手ですし、小説版の話を入れているのもとても良いと思います！更新頑張ってください！ (2018年2月12日 23時) (レス) id: 7b0e10bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年1月31日 22時
