6話 ページ7
アンクが映司さんに話すついでにと、私にもきちんと説明をしてくれた。
セルメダルを細胞として構成されたグリードという疑似生命体が存在し、アンクはそのひとり。
グリードは800年前に封印されて、今は完全ではないものの復活してしまっている。
セルメダルは人間の欲望から生み出され、グリードの糧になるもの。私が1枚だけ奪い取ったものがそれに当たる。
メダルには2種類あって、ひとつは先に説明したセルメダル。
もうひとつはグリードの核となるコアメダル。これの力で映司さんは変身した。
ということらしい。
アンクが映司さんにアイスを食べさせる。
食っとけと言っても、アイスにはなんの栄養素もないと思うのだが。
｢丁寧なご説明をどうも｣
セルメダルをアンクの腕に投げると、そのまま入っていった。
こうやってアンデッドにも話を聞けたら一番楽だとは思うものの、始に聞いても答えてくれるかどうか…。
｢Aちゃん、その腕…！｣
言われて見てみると、かなりの量の血が流れていた。思い出したら痛くなってくる。
｢…慣れっこなので気にしないでください｣
こんな怪我なら何度かしたことがある。
｢っつう…！｣
と言っても痛いものは痛かった。
我慢できなくて踞る。
人間が素手で作れるような傷じゃない。今は人間のような見た目アンクがグリードであるということを実感した。
｢やっぱり手当てしないと！｣
お兄ちゃんがここにいなくてよかった。
感謝の言葉よりそんなことを先に考えてしまう自分に呆れながら、持っていたパンツで止血をしてくれる映司さんを見ていた。
＊＊＊＊＊＊＊＊
｢…ありがとうございます｣
なんでパンツを持ち歩いているのかは気になったけど、血がついてしまうのに腕に巻いてくれたことには感謝しなければならない。
｢こんなことになっちゃってごめんね。家まで送ってくよ｣
｢面倒だ。放っておけ｣
話に急に入ってくるの好きだなーと思いながらアンクを見ると、まだアイスを食べていた。
｢アンク！｣
映司さんがアンクを諫める。
｢いいですよ本当に。そもそも家遠過ぎるので｣
白井農場はこの夢見町よりも北に位置していて、移動に一日ぐらいはかかる。
宿は探すのが面倒なので、いざとなればどころかそもそも野宿で1ヶ月過ごす覚悟で来ている。
お兄ちゃんには怒られるだろうけどバレなければ問題はない。
そのことを映司さんに言うと、案の定、困った顔をされた。
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ゆきみだいふく - ザヨコー (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 45dbd6a8fa (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 藍澤 水希さん» ありがとうございます。自分でも一期と二期、しかも小説まで混ぜるという無茶苦茶の意味がわからなくなってきていたので、喜んでいただけたのなら安心しました。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4a5d5c82f4 (このIDを非表示/違反報告)
藍澤 水希(プロフ) - 剣もオーズもすごく好きなので私に凄く嬉しい作品でした……！！書き方もお上手ですし、小説版の話を入れているのもとても良いと思います！更新頑張ってください！ (2018年2月12日 23時) (レス) id: 7b0e10bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年1月31日 22時
