48話(valentine特別編) ページ50
時期は本編とずれていますが、せっかくなのでバレンタイン編です。
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｢Aちゃん、何作ってるの？｣
私が台所に立っているのが珍しいからか、虎太郎が声をかける。
｢クッキー｣
｢そう言えばバレンタインって今日だっけ｣
今までお菓子なんて作ったことないけど、作り方さえ守れば作れるはず。
分量はもう量ってあるし、小麦粉もふるいにかけてあるし、準備はばっちりできている。
｢バターを溶かして砂糖を入れて…｣
次が問題だ。
どうやって卵の黄身だけ入れよう。
｢僕手伝うよ｣
白身と悪戦苦闘していたら、虎太郎が私からひょいっと取り上げて黄身だけをボウルに入れてくれた。
｢虎太郎って何だかんだ言って料理できるよね｣
前なんかお店で出そうなステーキ作ってたし。
｢じゃあここは素直にお願いします、虎太郎｣
変な意地を張って失敗するよりは、手伝ってもらう方がよっぽどいい。
｢了解｣
＊＊＊＊＊＊＊＊＊
｢後は待つだけ…だよね？｣
｢時々焦げてないか見ないといけないけど、そうだよ｣
オーブンの前で焼け上がるのを待つ。
お兄ちゃん、喜ぶといいな
｢けっこうたくさん作ったけど、誰にあげるか決めてる？｣
ハート型のクッキーが白黒合わせて約40枚。
｢お兄ちゃん、虎太郎、栞さん。それから橘さん、天音ちゃんに遥香さん、もちろん始も。あとは…｣
他にもあげたい人が何人かいるから、ひとり2枚でぴったりぐらいになるはず。
｢あんな奴にあげる必要なんかないよ｣
始の名前を出したときから、虎太郎が不機嫌になった。
｢どこにいるのかもわかんないしね｣
そういう意味じゃないことを知っていながらこんなことを言う私は意地が悪いのだろう。
虎太郎はアンデッドである始を快く思っていない。
｢始はアンデッドだけど、天音ちゃんのこと守ってくれたよ｣
始は何かと天音ちゃんを助けてくれる。
少なくとも危害は加えない。
｢でも剣崎君を攻撃してたし…｣
｢うん｣
否定はしない。
始はアンデッドだからなのか、お兄ちゃんと協力する気はない。
むしろ攻撃してくるくらいだ。
｢だから私も好きじゃないよ｣
好きにはなれない。
嫌いとまでは行かなくても、好印象は持てなかった。
天音ちゃんは始の話をしてくれるけど、私が始と話した回数は少ない。
だから始のことはよく知らないのだ。
｢こっちでもあっちでも大変だなあ…｣
この先気苦労が増える予感しかしないけど、頑張るしかない。
ちょうどクッキーが焼けた頃に、お兄ちゃんが帰ってきた。
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ゆきみだいふく - ザヨコー (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 45dbd6a8fa (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 藍澤 水希さん» ありがとうございます。自分でも一期と二期、しかも小説まで混ぜるという無茶苦茶の意味がわからなくなってきていたので、喜んでいただけたのなら安心しました。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4a5d5c82f4 (このIDを非表示/違反報告)
藍澤 水希(プロフ) - 剣もオーズもすごく好きなので私に凄く嬉しい作品でした……！！書き方もお上手ですし、小説版の話を入れているのもとても良いと思います！更新頑張ってください！ (2018年2月12日 23時) (レス) id: 7b0e10bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年1月31日 22時
