46話 ページ48
｢そんなに嫌ならさ、俺達が一緒に行けばい｣
｢それだけはやめてください｣
映司さんの提案を間髪入れずに断る。
それだけは本当に困るのだ。
その日の夜。
アンクがなかなか納得してくれないので、3人で話すことになった。
｢ほら、またヤミーが出たら…｣
できればどうしようもない理由を言って諦めさせたい。
こっそり抜け出すことはできるけど、その手は使いたくない。
｢じゃあ俺が残ってアンクだけでも…｣
｢解決だな｣
そう言ってアンクはさっさとソファに登る。
文句は受け付けないつもりなんだろう。
｢…アンクいなくて大丈夫なんですか｣
不安しか残らない。
無茶して自滅していそうだ。
｢たぶんなんとか…｣
映司さんが大丈夫だと言うけど、苦笑いしているところを見ると大丈夫じゃなさそうだ。
確かに、いざとなれば一日で戻って来れる。
だけどそこは問題じゃない。
私は映司さんとアンクをアンデッドに遭遇させたくないのだ。
｢…映司さん、なんでそんなにアンクを行かせたいんですか｣
アンクに聞こえないよう、こそこそと話す。
｢だって、アンク今Aちゃんにべったりでしょ？
このまま人間を好きになってくれないかなって｣
｢べ、べったり…｣
言葉に語弊がある。
私もアンクも、特に行く場所もないから同じ部屋で過ごしているだけだ。
意図して一緒にいるわけじゃない。
｢久しぶりに水入らずでお兄ちゃんと話したいんです｣
こうなったらこじつけだ。
これは本当のことだから何とかなるだろう。
｢やっぱり心配だし、俺も…｣
逆効果か。
｢とにかく！｣
アンクにも聞こえるように大声で言う。
｢遠いし、いきなりつれて行ったらグリードとかヤミーの話とかもしないといけないので面倒なんです｣
本当はちゃんと話す気だけど、そういうことにしておく。
私の場合普通じゃないけど、普通の家庭ならメダルの怪物の話なんてできない。
｢確かにそうだけど…実質俺が預かっているようなものだし、挨拶ぐらいは…｣
｢さっき私が言ったことをよく考えてください｣
映司さんはでもなあ…とまだどうしたらいいか考えている。
しつこい。
アンクはアンクで、私の意見は聞く気なし。
どうにもなりそうにない。
よし、決めた。
置き手紙を置いてこっそり帰ろう。
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ゆきみだいふく - ザヨコー (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 45dbd6a8fa (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 藍澤 水希さん» ありがとうございます。自分でも一期と二期、しかも小説まで混ぜるという無茶苦茶の意味がわからなくなってきていたので、喜んでいただけたのなら安心しました。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4a5d5c82f4 (このIDを非表示/違反報告)
藍澤 水希(プロフ) - 剣もオーズもすごく好きなので私に凄く嬉しい作品でした……！！書き方もお上手ですし、小説版の話を入れているのもとても良いと思います！更新頑張ってください！ (2018年2月12日 23時) (レス) id: 7b0e10bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年1月31日 22時
