41話 ページ42
｢映司さん、私床で寝るので映司さんはベッドで寝てください｣
Aが布団を床に敷く。
｢いやそれは…｣
｢女子供だからとか、そんな心配いりませんから。年功序列です｣
毛布と掛け布団1枚があれば十分な敷き布団になる。あとは枕さえあれば普通の布団だ。
そう言って床で寝ることを主張するが、映司は納得できないらしい。
布団を敷き終わると、もう1枚の掛け布団にくるまってAは映司に言った。
｢あなたの罪悪感なんてものは知りません。私の為を思うのなら、私の罪悪感を優先させてください｣
我儘とも気を遣っているとも言える言葉。
Aはどっちもの意味で言ったのだろう。
言いたいことを全部言われて何も言えなくなった映司は、ただ首肯くしかなかった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊
｢…眠れないのか｣
真夜中。
何時かわからないが、寝始めてから2時間は経っているだろう。
｢アンクは？｣
映司はぐっすり眠っている。
｢別に｣
言えない。
お前が寝てないからずっと見ていただなんて。
降りてAの隣に座る。
昼間もこんな感じだった。
｢…アンク｣
俺の服の裾を掴む。
｢アンク｣
離しそうにない。
｢ちっ｣
それを嫌だと思わない俺は異常だ。
｢さっさと寝ろ｣
傷痕の残る左手に触れる。
なんて弱い生き物。
なんて傲慢な生き物。
｢A｣
Aの名前を呼んで、色褪せた世界を見た。
かつて俺は、自分の欲望を満たすために目を患う小さな少女を利用した。
俺のヤミーが少女に美しい景色を見せ、その話を俺が聞く。
それはコアメダル、そして美しい世界を奪われた俺の苛立ちを忘れさせてくれるような気さえした。
だがその生活は壊された。
少女は壊れ、息絶え、俺はその元凶を殺した。
俺は俺の欲望を満たすために何でもする。
目的のために、こいつを利用する。
俺以外のものに"これ"は傷つけさせない。
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ゆきみだいふく - ザヨコー (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 45dbd6a8fa (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 藍澤 水希さん» ありがとうございます。自分でも一期と二期、しかも小説まで混ぜるという無茶苦茶の意味がわからなくなってきていたので、喜んでいただけたのなら安心しました。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4a5d5c82f4 (このIDを非表示/違反報告)
藍澤 水希(プロフ) - 剣もオーズもすごく好きなので私に凄く嬉しい作品でした……！！書き方もお上手ですし、小説版の話を入れているのもとても良いと思います！更新頑張ってください！ (2018年2月12日 23時) (レス) id: 7b0e10bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年1月31日 22時
