39話 ページ40
｢…すぅ｣
｢いい気なもんだなぁ｣
｢やめろよ起きちゃうだろ｣
Aちゃんは眠っている。
ヤミーを倒して戻ってきたら、壁にもたれかかって寝ていた。
昨日一睡もしなかったのだろう。
｢子供の寝顔って可愛いですよね。
お二人の問題も解決したみたいでよかったです｣
比奈ちゃんがAちゃんの顔をのぞき込む。
ここのところまともなところで寝させてあげられていないから、ここで少し眠らせてあげるのもいいかもしれない。
だけどアンクのおかげでそんな和やかな時間は終わった。
｢おい起きろガキ｣
俺に背負われているAちゃんの肩を揺するアンクを止める。
｢アンク！｣
しかしそれが最後の止めになった。
｢…おはようございます｣
Aちゃんが目を擦りながら起き上がる。
｢あー…｣
俺の声で起こしてしまった。
アンクのせいでどちらにせよ起きていた気もするけど。
｢アンクぅ…｣
アンクに手を伸ばすAちゃんを見て、少し微笑ましい気分になってくる。
｢アンクに甘えてるみたいだよ？｣
服を引っ張られて機嫌の悪いアンクににやにや顔でそう言うと、
｢寝惚けてんじゃねえよ、目ぇ覚ませ！｣
と言ってAちゃんの頬っぺたを思いっきり引っ張った。
｢…いはい｣
おそらくは痛いと言いたいのだろう。
俺の背中から飛び降りると、仕返しをしようと一生懸命アンクをぽかすか殴る。
｢仲がいいのねぇ｣
｢そ、そうですね…｣
喧嘩する程仲がいいとは言うが、どうしても返事に詰まった。
仲がいと言えるのだろうか。
｢ところで映司君。本当にここで働かない？｣
｢アンクアイス買ってあげるからおいでー｣
｢あ、俺も失礼します！｣
千世子さんの話が終わる前にAちゃんがお店を飛び出して、俺も一緒に出ていく。
｢どうしてよ。もう…｣
＊＊＊＊＊＊＊＊＊
｢アンク、欲望って必要なんだな。だから面倒だし、お前達も食いっぱぐれないってわけだ｣
小森さん達を見ていて思った。
無欲なのがいいってわけじゃない。
だけど本当に高いところ好きだな…。
｢お前のパンツまみれの欲望ならいらないがな｣
助けてやっても相変わらずの悪態。
恩を着せるつもりでやったわけじゃないからまあいいけど。
Aちゃんはまた寝ている。
｢火野さん｣
気がつくと比奈ちゃんが俺の前に立っていた。
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ゆきみだいふく - ザヨコー (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 45dbd6a8fa (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 藍澤 水希さん» ありがとうございます。自分でも一期と二期、しかも小説まで混ぜるという無茶苦茶の意味がわからなくなってきていたので、喜んでいただけたのなら安心しました。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4a5d5c82f4 (このIDを非表示/違反報告)
藍澤 水希(プロフ) - 剣もオーズもすごく好きなので私に凄く嬉しい作品でした……！！書き方もお上手ですし、小説版の話を入れているのもとても良いと思います！更新頑張ってください！ (2018年2月12日 23時) (レス) id: 7b0e10bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年1月31日 22時
