2話 ページ3
電車、バス、電車…といろんな乗り物を乗り継いで、ようやくたどり着いた。
｢ここが夢見町…｣
ここに、もしかしたら私の父親と母親がいるかもしれない。
そう思うと、遠かったけれど来た甲斐はある。
こんな非常事態に来ちゃまずかったかとも考えるけれど、来てしまったものは仕方ない。
お兄ちゃんには｢俺がいてやるからいいだろ？｣って止められたけど、やっぱり私は自分の本当の家族に会いたい。
私が誰なのか、知りたい。
確かに、お兄ちゃんがいるのなら私は充分に満たされていると思う。
お兄ちゃんより本当の家族の方がいいというわけじゃない。それはお兄ちゃんにはわかっていてほしい。
｢きゃあぁあっ！？｣
｢ば、化け物だ！！｣
大人や子供、女の人や男の子。いろんな人がひとつの方向から逃げてくる。
私は目的地に着いて早々、何かに巻き込まれたらしい。
｢まさか、アンデッド…｣
化け物、と言われればアンデッドを思い浮かべる。
アンデッドは、お兄ちゃんや橘さんのように、仮面ライダーと呼ばれる適合者だけが戦うことのできる、いろんな種族の祖。死なないから封印して閉じ込めるしか倒す方法がないという、厄介な相手だ。
お兄ちゃんに連絡すべきか迷う。
ここはあまりにも遠すぎる。かと言って放っておくわけにもいかない。
｢行くしかない…！｣
人が逃げてきた方向に向かって走る。
たぶん私には何もできない。だけどできることが見つからない。
広場のような場所に、その騒ぎの元凶はいた。
カマキリのような風貌をしていて、どこかアンデッドとは違う印象を受ける。
赤い右腕のようなものが、それに攻撃されていた。
｢コアメダルを渡せ｣
喋った。
カマキリ怪人が、喋った。
少しの間呆けて、首を横に振る。驚いている場合じゃない。
｢アンデッドじゃ…ない…？｣
アンデッドならばまず人間を襲う。
そもそも同士討ちをしているところなんて見たことがない。喋る上級アンデッドなら、尚更のこと。
近くに頭から血を流している刑事さんふたりが倒れていた。おそらくあのカマキリ怪人がやったのだろう。
｢もうやめろよ！｣
(誰！？)
まだ逃げていない人がいたのだろうか。
声の方向に顔を向けると、男の人が刑事さんの銃をカマキリ怪人に向けていた。
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ゆきみだいふく - ザヨコー (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 45dbd6a8fa (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 藍澤 水希さん» ありがとうございます。自分でも一期と二期、しかも小説まで混ぜるという無茶苦茶の意味がわからなくなってきていたので、喜んでいただけたのなら安心しました。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4a5d5c82f4 (このIDを非表示/違反報告)
藍澤 水希(プロフ) - 剣もオーズもすごく好きなので私に凄く嬉しい作品でした……！！書き方もお上手ですし、小説版の話を入れているのもとても良いと思います！更新頑張ってください！ (2018年2月12日 23時) (レス) id: 7b0e10bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年1月31日 22時
