18話 ページ19
歩くのに疲れて、そこら辺のベンチに座る。
｢図書館が見つからない…｣
同じところをぐるぐる回っていれば、見つかるわけはないだろう。
だけど迷子になったら元も子もない。あまり動き回る気にもなれなかった。
｢…映司さんとアンク、探そうかな｣
こうしていても仕方ない。
ヤミーを探そう。
＿お前に何ができる？＿
何もできないよ。
だけど行きたい。何もできないからって放っておきたくない。
いつも、気がつけば走り出している。
考え無しというわけでもない。
私も馬鹿のひとりだから。
そうして走っていると、何かが壊れる大きな音が聞こえた。
｢たぶんあそこっ！｣
音の方向へと走る。
すると変身した映司さんとアンク、猫のようなヤミー、そしてもうひとり、ライオンのような頭をした何かがいた。
｢カザリ、お前だな｣
｢久しぶりだねアンク｣
余裕ぶってアンクの名を呼ぶ何か。
ヤミーじゃない。
アンクの知り合いらしいことからそれがグリードであることを察する。
｢こそこそ付きまとっているとはお前らしいな。
そう言えば、人間に寄生するヤミーはお前のお得意だったか｣
寄生という言葉に反応してヤミーを見る。
ヤミーがメダルになって、すぐ近くに倒れていた男の人の体の中に入っていった。
そしてまた動き出す。
それを追いかけようとした映司さんにカザリが攻撃を食らわせる。
映司さんが吹き飛ばされてしまった。
カザリは映司さんの使っているコアメダルを取り返しに来たらしい。
｢あんなひ弱なアンクに盗られたんだ、情けない｣
思わず呟くと、カザリがこっちを向いた。
｢Aちゃんなんで！？｣
映司さんとアンクも私に気づく。
｢ちっ、あのガキ面倒なときに来やがって…！｣
アンクは舌打ちして私のところに来ようとする。
その様子を見てカザリは目を細めた。
｢へえ。あのアンクがね…｣
そう言うと、カザリが私に向かって歩いてきて、私のすぐ目の前で止まった。
アンクは近寄れず、また舌打ちをする。
｢逃げなくていいの？｣
カザリは私にそう聞く。
腰か抜けたとか怖いとか、そういう理由じゃないことをわかっているからだ。
｢あなた、グリードなんだよね｣
映司さんはさっきの攻撃で動けない。
｢そうだったらどうする？｣
表情があるのなら、カザリはきっと今笑っているのだろう。
全く怖くないわけじゃない。
でも、これだけは言っておきたかった。
｢セルメダルが要るのなら、もっとマシな集め方したらどうなの？｣
｢は？｣
その場にいたA以外の全員が、ぽかんとしてAを見ていた。
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ゆきみだいふく - ザヨコー (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 45dbd6a8fa (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 藍澤 水希さん» ありがとうございます。自分でも一期と二期、しかも小説まで混ぜるという無茶苦茶の意味がわからなくなってきていたので、喜んでいただけたのなら安心しました。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4a5d5c82f4 (このIDを非表示/違反報告)
藍澤 水希(プロフ) - 剣もオーズもすごく好きなので私に凄く嬉しい作品でした……！！書き方もお上手ですし、小説版の話を入れているのもとても良いと思います！更新頑張ってください！ (2018年2月12日 23時) (レス) id: 7b0e10bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年1月31日 22時
