【結城&伊佐敷&亮介としゃっくり(1)】★ ページ24
「…で、その忘れ物を取りに来た女子生徒が廊下に出たら、暗がりの中、髪の毛の長い女の子が俯いて立ってたんだって。」
ゴクン…
と、私と純は同時に生唾を飲み込む。
その様子にフッと笑ってから、亮介は話を続けた。
「制服を着てたその子に、『あなたも忘れ物?』って声をかけたら、『うん、忘れ物…と言うか、探し物…』って答えて…」
ガシッと思わず純のTシャツを掴んだら、純がビクッと反応して「驚かすな!」と青い顔で怒られた。
「その子はゆら〜、っと青白い顔を上げて、真顔で首を傾げながらスカートの裾を捲り上げて…『私の足、知らない?』って…」
「いやあぁぁぁぁ無理無理無理!!」
「も、もう十分なんじゃねえか!?」
「えー?こんなのまだまだ序の口なんだけど。」
ずざざっ、と思わず距離を取ってしまう私と純に、亮介は物足りなさそうな顔をした。
…その、一瞬後…
「ヒック」
と、しゃっくりが出て…
「うーん、止まらないねぇ。」
「だから怪談で止まるワケねぇっつっただろ!」
「そうだよ!亮介が『大丈夫だよ止まるよ』って半分無理矢理話し始めたんじゃん!………ヒック!」
青ざめた顔で、2人して亮介に猛抗議した。
事の始まりは、今日の部活が終わる間際にしゃっくりが出始めてしまったこと。
最初はそんなに気にしてなかったんだけど、片付け中もずっと止まらなくて、マネ室へ戻りながらヒックヒック言ってたら、暫くしてから純と亮介が部屋を訪ねてきた。
…で、しゃっくりを止めるには〜、みたいな話になって、亮介が
『ビックリしたら止まるって言うよね?怪談でもしようか?』
なんて言い出して…。
反対する私と純を尻目に、いつものあの笑顔で話し出して…現在に至る。
「ビックリしなかった?」
「ビックリよりもゾッとした…!…ヒック…」
「さすがにちょっと…な…」
「止まると思ったんだけどねぇ。」
う〜ん、とわざとらしく首を傾げてみせる亮介は…絶対止まるとは思ってなかったはず。
「…絶対ウソだ…」
思わず心の声を漏らしてしまうと、亮介は心外な、という風に軽く目を見張った。
「そんなことないよ、止まると思ったから話したんだから。」
「…本当に?」
「5%くらいはね。」
「どんだけ低い確率に賭けてんの!?」
「お前が怪談話したかっただけだろ!」
純と2人で亮介に突っ込んでから、盛大にため息をつく。
…なんか、まだ動悸が治まらないんですけど…。
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雪星(プロフ) - さーたんさん» 楽しんでもらえたようで良かったです!とりあえず、照れはするだろうな、と。それからの反応はそれぞれ違うだろうな、と思いながら書きました(>_<)ゾノはこのシリーズのオチ担当です(笑) (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - のりさん» ゾノは、あの歌を歌ってる場面がポンッと降ってきまして(笑)御幸の回なのになんだかゾノがメインになってしまったような…(^^;まぁ面白くなったからいいかな、と(^^; (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 桜さん» いえいえ、こちらこそせっかくリクしていただいたのに、お応えできなくて申し訳ありません(T_T)再開したら、またヨロシクお願いします! (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
さーたん - やばいですね!!!事故チューどれも最高でしたッ!金丸はかわいいし亮さんはかっこいい!!そしてゾノの登場にはわらいました笑 みんなが照れててテンション上がりました笑 ありがとうございます!!笑 (2017年2月19日 0時) (レス) id: a56f300cf9 (このIDを非表示/違反報告)
のり - 雪星さん» ども、おひさです。…とりあえず、ゾノwお主は我をわらかしてくるのぅw御幸の話を読むとデリカシークラッシャー御幸を思い出してただでさえ吹いちゃうのにw (2017年2月16日 23時) (レス) id: 7a0132dcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月29日 18時