【松原&梅宮とグラウンド(2)】★ ページ23
「…あ…マネージャー…さん、っすか…」
松原君が私を紹介すると、梅宮君は頬を赤くしながら目を泳がせる。
…あー…こういうことか…
思わずクスッと笑ってしまってから、私は半分独り言のように言った。
「な、なるほど…!確かに、強面でガラの悪いリーゼント野郎だけど、シャイで可愛い…!」
すると、梅宮君がハッと何かに気付き、ギリッと松原君に恨みがましい視線を向ける。
「な、南朋…!お前、また余計なことを…!」
「仕方ないだろ、本当のことなんだから。」
「あのなぁっ!」
しれっと答える松原君に、梅宮君がガリガリと頭を掻きながら言い返そうとしたものの…結局、はあぁ…と大きなため息をついてガックリと項垂れてしまった。
…うーむ…意外にも松原君の方に主導権があるらしい…。
その松原君は、項垂れる梅宮君を見つめて微かに笑ったあと、楽しげに口を開いた。
「…さて。じゃあ梅宮、マウンドにトンボかけようか。」
「……あ?」
思いもよらない言葉だったのか、梅宮君が怪訝そうな表情で顔を上げる。
「『あ?』じゃなくて。お前が勝手に入ったから、ほら、せっかく整備されてたのに足跡ついちゃったじゃないか。ちゃんと綺麗にしておかないと。」
「松原君、別にそこまで…」
しなくていいよ、と、言おうとしたら、それより早く松原君が私を振り返り、柔らかな表情で言った。
「いいえ。こいつも一応高校球児です。グラウンドに対する最低限の礼儀は、きちんとわきまえさせないと。」
「…そ、そう…」
しっかりしてるなぁ、松原君…。
「…ちっ。わーったよ!やりゃあいいんだろ、やりゃあ!」
そう言うと、梅宮君は眉間に皺を寄せつつも、トンボの方へ向かってズカズカと歩き始めた。
その背中に、またしても松原君の声が飛ぶ。
「グズグズしてるとローラーも追加するよ?」
その途端、梅宮君は肘を直角に曲げて全力で走り出した。
ガシッとトンボを一つ取ると、ビシッとこっちを指差して怒鳴ってくる。
「こんのドSマネージャーがあぁ!そこで大人しく見てやがれぇっ!」
そして、「どらあぁぁぁ!!」と雄叫びを上げながら物凄いスピードでトンボをかけ始めた…。
「…だ…大丈夫かな…あんなに凄い勢いで…」
「心配ないですよ。ちょうどいいトレーニングになりますから。」
梅宮君を見守りつつも、笑顔でさらっとそんなことを言い放つ松原君は…
確かに、ドSマネージャーかもしれない…。
(藍様リク)
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雪星(プロフ) - さーたんさん» 楽しんでもらえたようで良かったです!とりあえず、照れはするだろうな、と。それからの反応はそれぞれ違うだろうな、と思いながら書きました(>_<)ゾノはこのシリーズのオチ担当です(笑) (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - のりさん» ゾノは、あの歌を歌ってる場面がポンッと降ってきまして(笑)御幸の回なのになんだかゾノがメインになってしまったような…(^^;まぁ面白くなったからいいかな、と(^^; (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 桜さん» いえいえ、こちらこそせっかくリクしていただいたのに、お応えできなくて申し訳ありません(T_T)再開したら、またヨロシクお願いします! (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
さーたん - やばいですね!!!事故チューどれも最高でしたッ!金丸はかわいいし亮さんはかっこいい!!そしてゾノの登場にはわらいました笑 みんなが照れててテンション上がりました笑 ありがとうございます!!笑 (2017年2月19日 0時) (レス) id: a56f300cf9 (このIDを非表示/違反報告)
のり - 雪星さん» ども、おひさです。…とりあえず、ゾノwお主は我をわらかしてくるのぅw御幸の話を読むとデリカシークラッシャー御幸を思い出してただでさえ吹いちゃうのにw (2017年2月16日 23時) (レス) id: 7a0132dcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月29日 18時