67_成長期 ページ20
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入学式以来、彼女はクラスでも学年中でも
あっという間に注目される存在となった。
何より、男子は勿論女子の私ですら見惚れるような垢抜けたその外見…
ちっちゃくて細くて、
芸能人で言うなら橋○環奈ちゃんみたいな可愛いアイドル系。
ほら、今だって他クラスの男子達が・・
「松尾さんってどれ?」
「あの子だって!」
「うわほんとだめちゃ可愛い!」
す、すごい・・・
「どこ見てんのA?」
「・・・あ、ごめん」
またもや見惚れてしまっていた…
現在朝のHR前の登校時間。
幼なじみの俊と、1組の前の廊下で雑談していた。
ちなみに俊は、隣の2組になった。
「で、1組はどんな感じ?」
「んー…どんなって言われても」
まだ入学して数日だけど、
「クラス替えたい。」
「え?」
「村井君いるんだもん、1組。」
「あぁ…」
村井君とは、入学式の日に私をからかってきた男子連中の中でも1番目立つ男子。
小5、小6と同じクラスで、その頃も何かにつけてよくからかわれてきた。
「村井か…クラス同じになった事ないからわかんないなー」
「性格悪いよ、アイツ。でも背高いし派手だから、皆逆らえないの。」
「そうなんだ?」
そう・・・だけど、
「でも、松尾さんだけは違った…」
「誰?」
「あそこに座ってる子。学年中の注目の的だよ!」
「へー」
俊、無関心そう…
「松尾さん凄いんだよ。あの村井に臆することもなく文句言えちゃうんだから!」
「凄いのか?それは…」
「うん!」
入学式のあの瞬間、
私は彼女の事をかっこいいと思った。
まず、彼女が現れなかったら
私はあの場で感情を爆発させていたかもわからない・・
間接的にだけど、彼女には救われたんだな。
「ちっちゃくて可愛いのに、ああいうギャップは憧れるな…」
本当、私とは正反対。
「A大きいからね」
「・・俊、デリカシー」
「え?(笑)」
悪戯っ子のように笑う俊。
実は、目線の高さは殆ど変わらない・・
というか一緒。
「これ気にしてるんだから!」
「身長の事?」
「うん…」
もともと私は、周りの女子より成長が早かった
身長も、そこら辺の男子とさほど変わらない。
「いつか俊を抜かしそうで怖い…」
「え"」
まあ始まりが早い分、止まるのもきっと早いはず!
「ハァ…早く終わらないかな成長期」
「そうだな…(毎日牛乳飲も)」
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年3月10日 18時