【◇】年下はお断りです

年下39 ページ40

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私の部屋の向かいの白い扉をノックする。



「お姉ちゃん、入ってもいい？」



お姉ちゃんには妹なんだから遠慮しないでと言われてるけど、そんなのは昔に言って欲しかった。

お姉ちゃんが高校生の時までは絶対にノックしてからにしてよ、間違っても勝手に入ったらどうなるかわかってるでしょうね？と脅され、今でもその癖が残ってしまっている。

まあ最近はもう諦めたようで何も言われなくなったけど。





「どうぞー」





そーっと扉を開けその隙間から入り込み後ろ向きに扉を閉める。




「どうしたの？そんなに慎重になっちゃって」





……大学生ってこんなに余裕なもんなのか。



ふわっと笑う姿に妹ながら見とれてしまう。



まあ、お姉ちゃんに限るのかな。

3年後私がこうなってるなんて全く想像出来ないし。




「……いや、大したことじゃないんだけどね」




お祭りで浴衣着ようと思って…お姉ちゃんの高校生の時の浴衣ってまだあるかな？



お姉ちゃんの顔を下から伺うように言うと、「えっ」と目を見開いて固まったお姉ちゃん。





「あ、無かったら良いんだけ…」

「あるわよ！大量！」




「まさかAがお祭りに浴衣なんて…やっと浴衣で一緒に回る相手が出来たのね…！！」とたんすから引っ張り出している。




……いや、小湊はお姉ちゃんが思ってるような相手では無いんだよな



楽しそうに鼻歌を歌っているお姉ちゃんを落ち込ませたくないので何も言わないでおく。

ただちょっとは驚かせてやりたい、ずっとやられっぱなしなのは嫌だ、という思いで頼みに来た。



……でもこてんぱんに出来る自信は無い…




浴衣ならどんなブスが着ても普段と違って可愛く見える幻覚が起きるっていうから(大げさ)ちょっとは大丈夫なはず。





「あ、Aこれなんかどう？」






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