第３話 ページ3
赤司だって動物が嫌いなわけではない。
乗馬をするから馬とは必然的に触れ合うし、犬や猫も当然大丈夫だ。
だが、この犬だけは犬とも思いたくない。
自分の妻を独占している、その状況にも腹が立つ。
しょうがないと思ったAは、ハピーを抱いたまま赤司から少し距離を開けて座った。
それに満足したのか、ハピーはAの膝の上でぬくぬくとしている。
「……」
赤司がキレる三秒前くらいだ。
しかし犬にキレても…Aの犬だ。
この犬になにかあればAが悲しむ。
もうどうしようもない気持ちで悶々とする。
このままでは、この犬が明日、Aの実家に帰るまでずっとAといちゃいちゃ出来ない。
そんなの耐えられない。
しかし、赤司の我慢は驚くほど長く続いた。
敵だ、抹殺したい。
だがAの愛犬、出来ない。
Aはひたすら犬をかわいがり、敵はこちらに見せつけるように気持ちよく尻尾を振っている。
ずっと耐えて、Aが犬を可愛がる声をずっと耐えて聞いていた。
夕食の時もハピーはAの膝の上に乗り、食卓に顔を出している。
目の前のA…かわいいAの前に、天敵…
おいしい絶品料理…Aの料理があるのに、天敵の姿がちらちら視界に入る。
目障りな事この上ない。
食事中ずっと、その犬と睨みあっていた。
Aが撫でればハピーはすぐに舌を出して喜ぶ。
しかしAが見ていない所では赤司と激しいバトルを繰り広げていた。
睨みあって両者譲らず。
この犬には天帝の眼(エンペラーアイ)が利かない。
なぜかは分からない。
人間含め他の動物には有効なのに、この犬にだけは利かない。
なおさら苛々する。
本当に言う事を聞かない犬なのだ。
もう一人の赤司に対してもこの態度を変えない。
もう一人の赤司は優しく接しようとしていたが、それでも駄目だった。
今の赤司の事はもっと敵視している。
どうにかしてやりたい赤司は、眉間に皺を寄せて目を閉じ合わせた。
…もうずっと、嫌いな項目には「言う事を聞かない犬」それにカッコして「特にAの駄犬」と書こうか。
食事を終える頃にも、赤司とハピーの火花は散っていた。
たかが犬に…と思うのに、そのたかが犬がAの愛する犬なのだから、ただ無下に扱えない。
本当にずる賢い犬だ。
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イナズアレオリ - 犬にヤキモチ…赤司君可愛すぎる続編があったら読みたいです！ (2020年6月20日 14時) (
レス) id: 2e62a84241 (このIDを非表示/違反報告)
シャンプー - 赤司vs犬…面白いですね★更新待ってます(^O^) (2018年3月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 170aaa5bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろろん | 作成日時：2018年1月7日 0時
